2004年10月15日


横矢忠志氏・和住工業が自民県連に2500万円献金(平成15年) 金額ケタ違い 国分川問題調査中に


    平成15年分の自民党県連への献金者リストの一部 横矢氏と和住工業からの献金は桁違いに多額だ



昨年夏、国分川右岸の土地問題で県の判断を自社に都合の良いように変えさせようと当時の橋本大二郎知事に働きかけ、要求が通らないとみるや笠誠一氏・依光隆夫自民党県議と一体になり「知事選挙資金疑惑」を仕掛けた和住工業(高知市中宝永町)の横矢忠志社長が、昨年、自民党県連に個人・企業分合わせて2500万円の献金をしていたことが明らかになりました。


  和住工業が不法占有していた国分川の土地

献金時期は平成15年10月23日。国分川土地問題を県議会百条委(元木益樹委員長)が調査している真っ最中に、元木委員長が幹事長という最高幹部をつとめ、5人の百条委員が所属する自民党県連に、調査される対象の横矢社長が過去に例のない巨額献金をしていたことは、委員会調査の公平さを疑わせるに充分です。

横矢氏と和住工業はこれまで、自民党県連に対して平成10年以降献金をしていません。同党のいくつかの支部にしているだけで(14年は59万円、13年は60万円、対象は福井照・中谷衆議院議員と古い付き合いのある依光隆夫県議だけ)、もともと献金を多くする企業ではありませんでした。

にもかかわらず平成15年10月に横矢社長と和住工業は自民党県連に、突如として桁違いに多額の2500万円の献金をしています。これは一体何を意味しているのでしょうか。

県連年間収入の4分の1を横矢氏・和住が負担

10月23日といえば、国分川土地問題が百条委で調査対象になり、横矢氏が証人尋問される直前にあたります。前後の出来事を簡単にまとめてみます。

7月3日 横矢氏が笠誠一氏を東京に訪ね橋本4選阻止で意気投合
7月8日 横矢氏が橋本知事を訪ね国分川土地問題で県の判断を変えるよう要求。断られると資金疑惑のメモを見せ「4期目は考え直してほしい」
9月30日 依光質問
10月3日 笠氏県議会議会運営委員会で意見聴取。松尾徹人氏が知事選出馬表明
10月8日 県議会企画建設委員会で土木部から国分川土地問題について報告を受ける
10月9日 県議会企画建設委員会が笠氏を参考人招致
10月10日 県議会に百条委員会設置
10月31日 百条委が執行部に坂本ダム談合と国分川土地問題について報告受ける
11月13日 知事選告示
11月21日 百条委で横矢氏が証言
11月30日 知事選で橋本氏が当選

横矢氏の動向が百条委で焦点となっていた時期に、横矢氏側から自民党県連へ2500万円もの大金が渡っていました。平成15年の自民党県連の収入は約1億円。年間収入の約4分の1を横矢社長と和住工業がまかなう異常な癒着ぶりです。

これまでも指摘されてきた元木県議・横矢氏との関係

百条委の調査の中では、15年4月に元木議員が国分川土地問題を和住側に有利に解決できるよう県土木部に掛け合っていたことが土木部の公文書に記録されていたことから、元木議員と横矢社長の深い関係、委員長としての公正さに疑義が示されていました。また横矢社長が7月8日に知事に働きかけた時にも知事と会えるよう仲介したのは元木県議でした。

元木県議・横矢社長との深いつながりと、自民党県連への異例の2500万円の献金との間に、果たして関連はないのか。自民党県連、 自民党県議団は県民に説明する責任があります。

※国分川右岸の土地問題は2006年、訴訟で和住側の主張が退けられ終結。その後、和住側が当該用地を買収し、転売して解決しています。