元木益樹氏に百条委員長の資格なし 「知事が相手にしてくれない」と和住・横矢社長に請われ面談とりつける
10月31日に開かれた地方自治法百条にもとづく県議会「坂本ダム等に関する調査特別委員会」は、坂本ダム談合と国分川右岸土地問題について執行部から説明を受けましたが、冒頭から元木益樹委員長(自民)と一連の「疑惑」の渦中にある横矢忠志社長との関係が指摘され、委員長自らが懸命に「反論」するという極めて異常な委員会になりました。
日本共産党と緑心会の田頭文吾郎議員と牧義信議員は、県の公文書に、元木委員長が横矢氏の立場にたって動いた記述があることを指摘。「不法行為をしている企業と同じ立場に立って県に働きかけたことは明瞭であり、委員長としての資格が問われる、辞任すべきだ」と提起しました。※文書の内容は後述
■元木委員長と横矢氏の関係は隠しようのない事実
元木委員長は、「事情がまったく分からないままに横矢氏に言われて同席しただけ」と「反論」したものの和住に請われて県との折衝に同席したことを認めました。
「『他の方法で交換する方法はないか』という発言は問題」との委員の指摘には、「そのような発言はまったくしていない。この文書は間違っている」と、委員長自ら執行部提出文書の信用性を否定しました。
元木委員長は、7月8日に横矢社長が橋本知事を訪ね四選不出馬を迫った時に仲介したと言われている問題についても触れ、横矢氏から「知事に連絡を取ろうとしても相手にしてもらえない」と頼まれたことから、元木氏自らが秘書課長に電話をかけ、知事と横矢社長との面談の約束を取り付けたことを認めました。
元木委員長の関与を問われた県担当者は、「県議であろうが、誰が言おうが土木部の判断は変わらないので、『働きかけ』とは思っていない」と述べたものの、元木県議との一連のやりとりの内容は事実に間違いないと答弁しました。
■地に落ちた百条委の信頼
問題の核心は橋本知事の四選出馬を断念させるために圧力をかけ、国分川右岸土地問題の中心人物である横矢忠志社長本人と、疑惑を公正に調査解明するために強力な権限を委ねられている百条委員長が、こともあろうに調査対象になっている当該問題で関係があった事実そのもの。
県担当者の受けた印象はそれぞれにせよ、元木委員長が和住に請われて県との折衝に同席したり、知事と会う予定をとったいう、明らかになっている事実だけでも、委員会の調査の公平性に疑問を抱かせるには充分。多くの県民が「こんなことで本当に公正な疑惑解明ができるのか」という思いを抱くのは当然でしょう。
今回の百条委員会は、設置時から「橋本知事の選挙にダメージを与える」という政治的思惑が先行。親知事の保守会派を排除したままの運営がされるなど、信頼と権威は地に落ちた感があります。元木氏はあくまでも委員長の椅子に固執していますが、今からでも「李下に冠を正さず」の立場で自らを律し、委員長を辞任すべきではないでしょうか。
■県土木部の文書の内容
「15年2月21日、元木県議立会の上、和住の主張を聞く」
「15年2月24日 元木県議に国土法の届出文書を渡す。次の質問を受ける。(和住は)交換の話は県から出したと言っているが、どうしてダメなのか。別の方法で和住が池沼を取得する方法はないのか。(中略)埋立によって堤防の補強になるのではないか。堤防が危険だというのは県民にとっては大変な問題である。議会で質問しなければならない」
「平成15年2月26日 場所 自民党控室 (略)池沼があるために堤体が不安定になっていると心配している。2月議会で質問をしたい。(中略)池沼を埋めたら堤体の強度は増すのか。もし堤防が決壊した時により安全ではないのか」
※国分川右岸の土地問題は2006年、訴訟で和住側の主張が退けられ終結。その後、和住側が当該用地を買収し、転売して解決しています。