2006年7月4日

「よこはま水産」問題 「極秘文書」書いたのは誰? 星沢元海洋局長が産経委提出メモについて説明 野村証言の信頼性揺らぐ
産経委員会で発言する星沢元県海洋局長

7月4日、「よこはま水産」問題の集中審査をしている県議会産業経済委員会に星沢昭雄・元海洋局長が参考人として出席して証言。星沢氏は「闇保証は組織決定だった」と一人主張している野村俊夫・元海洋局次長が物証として同委員会に提出した文書の「疑惑」への関連を否定し、野村元次長の発言の信憑性に疑問を投げかけました。

星沢氏は誰にも渡したことがない「自筆メモ」(※1)が無断で提出されたことに疑問を呈し、メモを書いた当時の状況について説明。星沢氏が指示して書かせたとされている「極秘文書」(※2)についての関与を明確に否定しました。

星沢元局長の証言のポイント(肩書は当時)

@当時の状況 12年度から局長になったが、野村次長から、この出資が「よこはま水産」と関連があると聞かされたのが13年1月下旬。当時は次長を信頼していたので予算執行を止めなければと思い、吉良正人副知事に相談し2月10日に知事に説明することにした。前日の9日夜、知事説明の前に次長と2人で信漁連、基金協会に出向き事情を聞くと「よこはま水産とは関係ない」と明確に否定され、次長にその場で確認すると「よく分かりました」。翌日の知事への説明の場で知事が「見返りの出資であれば認められないと指摘してある。(12年2月3日の)予算査定が県としての組織決定だ」と述べたことを覚えている。次長は「今やっと分かりました」と述べた。

A自筆メモ 書いたのは13年4月〜6月。野村次長が言う知事に説明(13年2月10日)するためのものではない。大学ノートに備忘録的に書いたもので、前半に野村次長の思いを書き、後半は信漁連、基金協会で聞いたことを書いてある。メモを野村次長に渡したことは絶対にない。なぜ持っていたのか、はっきりさせてもらいたい。

B極秘メモ 書くように指示したことはない。極秘などという文書は県庁生活で一度も書かせたことはない。自分が指示したとされる補佐にも確認したが、「形式が自分のものとは違う。自分ではない」と言っている。私が指示して書かせたと言われたものであり納得できない。はっきりさせてもらいたい。

11年5月12日に高新記者が信漁連に取材にきた話は、年度が変わり4月以降に信漁連会長から聞いたもの。会長に会ったのは2月9日の夕刻が初めてで、この文書には2月9日には知り得ない情報が書いてある。「自筆メモ」にひっかけて「極秘メモ」を権威付けるために私の名前が出された。信漁連会長は高新記者が取材にきた情報は、私に言うまで野村次長にしか話していないと言っている。野村次長しか知らない情報がなぜ「極秘メモ」に書かれているのか。

野村氏が物証として提出してきた文書は出所不明でした。同氏の証言(※3)は信漁連、基金協会を訪れたという重要な情報にも触れておらず、核心部分の信用性が揺らいでいます。審議では委員から文書と野村氏の証言のデタラメさの指摘が相次ぎ、自民党委員でさえ「星沢氏は真実をありのままに語っていると思う」と言う有様。野村氏の証言の信用性が厳しく問われる事態になっています。
 
※1 自筆メモ
 星沢氏が自分の大学ノートに備忘録的に書いたもの。前半には野村氏の言い分、後半には信漁連の言い分を書いてある。信漁連がよこまは水産に融資をした直後に高知新聞の記者が取材にきたという情報も記載されている。星沢氏の私的メモであるが、なぜか野村氏が提出した。
※2 極秘メモ ワープロ打ちで2月9日の日付。「闇保証」の知事関与を裏付けるような記載、極秘という記載もある。野村次長は星沢氏が水産振興課補佐に指示して書かせたと述べているが両人とも関与を否定。
※3 野村証言 野村次長は聞き取り調査に対し、「極秘メモ」、「自筆メモ」を用い「組織決定」だったと述べている。また「自筆メモ」は「極秘メモ」をもとに星沢局長が知事説明のために書いたと証言。

星沢元海洋局長のまとめの発言(要旨) 元次長の言うところの私が作成したという未定稿の3枚組の資料、わざわざ極秘と断っている資料については、指示したとされた者、指示されたとされた者が、ともに身に覚えが全く無く、私の自筆メモとは何ら関係ない。

こうした極秘資料が単にあったというのではなく、作成した時期を特定した上、私の自筆メモと密接に関連している旨説明し、さらには元次長の証言の信用性を担保している結城補佐の名前のもと、公の場に出してきたということ、しかも無いことをあったとして出してきたことは、どう考えてもその神経が理解できない。

是非この2点、@極秘という資料については、私は誰にも指示していないし、結城氏は作成していない。2人とも書いたとされる当時には、この内容についてはまったく預かり知らないこと。従って私の自筆メモとは何の関係もない。Aこれに関する野村証言はまったくのデタラメであることをはっきりさせてもらいたい。

私が説明した関係者に委員長が直接確認して県民の前にはっきりさせてもらいたい。これがこの場に出てきた最大の理由だ。