2006年7月13日

「極秘メモ」 野村氏自身が作成に関与していた 客観性に疑問符 県議会産経委「よこはま水産」問題
7月12日の産経委員会
7月12日の県議会産経委で野村俊夫・元県海洋局次長は、 自ら物証として委員会に提出した2通の文書(星沢昭雄・元海洋局長の「自筆メモ」「極秘メモ」)について言及し、「極秘メモ」の下書きに野村氏自らが手を加え作成に関与していたと述べました。

2通の文書は6月26日に委員会に野村氏から提出されたもの。野村氏は「極秘メモ」は星沢氏が水産振興課補佐に指示して書かせた、「自筆メモ」は13年2月10日に星沢氏が知事に説明する時に「極秘メモ」を下書きに書いたと説明。海洋局トップだった星沢氏が関与した文書に「組織決定」と読みとれる記載があることで客観性を強調し、野村氏の主張を補強する重要な物証として委員会に提出されたものでした。

ところが、7月4日の産経委に参考人として出席した星沢氏は、「極秘メモ」への関与を全面否定。「極秘メモ」を書いたとされる水産振興課補佐も「形式が違う。自分ではない」と述べていることを紹介し、誰が指示したのか、誰が書いたのかも分からない出所不明の文書だと指摘しました。

この指摘を受けた7月12日の参考人聴取で野村氏は、「極秘メモ」を書いた人物は「海洋局の幹部としか言えない」「誰が書いたのかは重要ではない」と特定せず。また「極秘メモ」(11年2月9日の日付が入っている)の前の日に書いたという2月8日の日付が入った新たな文書を委員会に提出し、野村氏自身が文面を自らチェックして修正させていたという重大な発言をしました。

「極秘メモ」に関わった人物で名前が確定しているのは結局、野村氏だけ。本人が手を加えて修正させていたということは実質的な指示者は野村氏自身ということに他なりません。野村氏が自ら書かせた文書に客観的な証拠能力を求めるのは無理というもの。これまで野村氏は「極秘メモ」に自ら関与していたことには口をつぐみ、「星沢君が補佐に指示して書かせた」と他人ごとのように述べていましたが、星沢氏に矛盾を指摘されたとたん発言が二転三転したことは、不可解としか言いようがありません。

また、星沢氏が絶対に誰にも渡していないと述べている自筆メモの入手方法について、野村氏は13年2月10日の知事説明の場で、星沢氏から配られたと主張しました。委員会終了後、星沢氏に問い合わせたところ「大学ノートに書いた備忘録で、絶対に渡していない。知事へ説明するのに大学ノートへの走り書きは使わない」と全面的に否定しました。