2005年5月23日


高知市役所観光課 「高知城築城400年事業」残金を不正「流用」しプリンター購入 岡崎課長(当時)が「決裁」

                 観光課内に置かれたプリンター

高知市観光課の松本勝彦・課長補佐(平成17年に4月に懲戒免職・逮捕)が外郭団体の事業費を横領着服した問題を調査する「同市議会補助金等交付金事務調査特別委(浜辺影一委員長)」の5月20日の委員会で、岡崎誠也・観光課長(14年当時)が「高知城築城400周年記念推進協議会」の残事業費を不正に「流用」して記念事業とは無関係な同課の通常業務用のパソコン用プリンター購入を「決裁」していたことが明らかになりました。この不正な会計処理は、その後の松本被告の着服の伏線ともいえるものであり、岡崎市長の責任を追及する声が強まることは必至です。

「築城400周年記念事業推進協議会」は、平成12年5月に発足。12年度から13年度にかけて、高知市から1億1000万円、県から2300万円余の負担金を投入され、「高知城時代絵巻」や「高知お城まつり」など各種の観光イベントを主催。事務局は高知市観光課内に置かれ、事務局長は観光課長が務め、金銭の管理事務は観光課職員があたっていました。

同協議会は14年3月25日に13年度の事業を終え、繰越金ゼロになる「見込み決算」を承認して解散していますが、実際には50数万円の残金が発生。協議会が解散したにもかかわらず50数万円が浮くという異常な事態になります。その後もどういうわけか正式な決算や監査は行われず、通帳・印鑑は観光課内に置かれたままでした。

この「残金」が14年11月16日に奇妙な動きをします。松本係長(当時)が課員を連れて口座からキャッシュカードで10万円を引き、知寄町の電器店でパソコン用プリンターを3台購入したのです(このプリンターは観光課職員の机に今も設置され通常業務に使用されている)。同口座はプリンター購入後、15年3月に松本被告に42万円余を着服されるまで(本人が警察の取り調べで自供)またもや放置されます。

13年度同協議会の事務局長を務めた岡崎課長(当時)は、残高ゼロになる「見込み決算」で協議会を解散させ、実際には残金があったにもかかわらず決算・監査を受けぬまま放置した責任者。その後、この金から記念事業とは無関係の観光課の通常業務用「備品」であるプリンター購入を、すでに協議会が解散しているため事務局長としての「決裁」権限はないはずにもかかわらず、勝手に購入を認めています。このことは単なる「流用」(市の予算の科目を融通する)というような性格のものではなく、観光課が全く別の事業である「築城400周年」の事務局を担当してきたことをいいことに、残金を使い込んだことになります。このような脱法的な「築城400周年記念事業」を巡る不正常な処理は、その後の松本被告の700万円以上の大量着服の「呼び水」になりました。

また岡崎氏が課長を務めていた当時、14年6月に同市農林水産課で起きた横領事件を受けて9月に出された「取り扱い指針」(ダブルチェック体制や預金通帳残高の確認など)通りの事務ができていれば、松本被告のその後の着服は防げたはずでしたが、実際には同課では「指針」は棚上げにされ、問題の口座がチェックされることはありませんでした。   

12年度 13年度 14年度
観光課長 清遠綾子 岡崎誠也 岡崎誠也
補佐 高橋政明 高橋政明 門田良章
係長 松本勝彦 松本勝彦 松本勝彦

   当時の観光課の構成(敬称略)