連載  百条委と知事選の取材メモから
                        2度の知事選挙で明らかになったものは


G2003年県知事選 橋本氏が4選


                  4選を決めた橋本氏

2003年11月30日に投票された任期満了に伴う高知県知事選挙は、県民に開かれた県政改革をさらにすすめるのか、利権集団や特定勢力などの言いなりになる「しがらみ県政」の復活を許すのかが問われたたたかいでした。古い県政復活をめざす勢力は、高知市政を投げだし選挙に出る松尾徹人氏を自民県連、社民党推薦、公明党県本部支持、民主党(協力候補)や「解同」、連合が担ぐ総かがりの布陣。選挙直前に「選挙疑惑」を持ち出し、県議会と地元紙を舞台に異常な橋本知事攻撃が繰り広げられるなど、橋本四選阻止のために幾重にも手が打たれました。

三期目を迎えた橋本県政が、ゼネコンが政治家を操って公共事業をコントロールする「自民党型政治」の障害物に成長し、存在が看過できないものになっていることを実感させ、県政転覆のため大きな力が働いていることがありありと感じられました。

選挙戦で橋本氏は、圧力に負けない公正な県政への決意を訴え。日本共産党高知県委員会は「古い利権構造や同和行政のゆがみの復活を許さず、橋本県政での改革前進を望む」との見解を発表し独自の候補者を立てず地域で「草の根」と共同して橋本県政継続に力を尽くしました。

松尾氏の出陣式では「反橋本」勢力がオールキャストで県政を思い通りに動かそうと気勢を上げ、選挙最終盤には橋本氏攻撃する怪文書や家族を攻撃する口コミも大量に飛び交いました。投票結果は、橋本氏が23万3801票(得票率54・45%)、松尾氏が19万2932票(44・93%)で、橋本氏が大差で勝利。橋本氏が訴えた特定の団体や個人の圧力に屈しない公正な県政実現、徹底的に県民と向き合う県庁づくりが広範な県民に支持されました。

日本共産党高知県委員会は橋本氏の当選を受け「この勝利を多くの県民とともに歓迎するものである」という談話を発表しました。

しかし自民党県議団の面々は県民の審判を率直に受け入れるつもりはありませんでした。選挙結果が出た直後、元木益樹・自民党高知県連幹事長(百条委員長)は「詭弁だ」とテレビカメラに噛みつき、その後の県議会では男女共同参画条例、新旅費システム、こども条例、出納長と教育長人事を党略的に妨害。この時点では知る由もない1年後の2004年知事選にむけ嫌がらせはエスカレートしていきます。 (中田宏)