連載  百条委と知事選の取材メモから
                       2度の知事選挙で明らかになったものは


21 橋本氏が5選 県民の良識勝利 理不尽な「知事下ろし」に審判


                  5選を決めた橋本氏


知事選挙最終盤、松尾陣営が閣僚級の大物を続々と送り込み、なりふり構わぬ口汚い攻撃を加えてくる中で、有権者からは「松尾さんのほうは悪口ばかりやね」という声が聞こえてくるようになります。松尾氏に語るべき政策がないこと、県政を利権構造に逆戻りさせようという取り巻きの思惑が広く県民に露呈するようになってきます。

そしていよいよ迎えた11月28日。選挙の結果は橋本氏が22万6428票、松尾氏が19万2745票。橋本氏が5度目の当選を決めました。

橋本氏は、国が進める「三位一体の改革」を厳しく批判して地方の主張を国に強くぶつけていくこと、県民に開かれた公正な県政の前進を訴え県民の支持を得ました。

一方、松尾氏は自民党本部や公明党の閣僚級の最高幹部の応援を受け「県の困難は橋本知事が悪いから」という本末転倒した主張に終始。「国と県議会」との「協調」を重視して、業界団体・労組などの組織をフル動員して圧倒的な組織戦を展開しましたが、県民には受け入れられず「政治の世界から引退する」ことを表明しました。

2003年9月の「依光質問」から始まり、執拗に自民党県議団・県民クラブや高知新聞が続けてきた「選挙資金疑惑」に始まる「橋本下ろし」に県民の明確な審判が下りました。日本共産党は橋本県政の継続前進をめざすため、独自の立場から広範な県民と協力しながら橋本氏の再選に全力をあげました。

当選を決めた橋本氏は「大きな組織を相手にした本当に厳しい選挙だったが、これまで続けてきた県民1人1人に向き合う県民本位の県政を守ることができた。『三位一体の改革』を受けての県財政の立て直し、県内経済の浮揚という大きな課題が待っているので、うれしさよりも荷の重さを感じている。国が進めている『三位一体の改革』では、地方はやっていけなくなる。知事会や全国の自治体と力を合わせ、県民を守るために先頭に立って取り組む」と話しました。

帯屋町アーケード内の橋本氏の選挙事務所前には当選を祝う支援者が続々と集まり、「しがらみに何も言わせない結果をだすことができた」「一部の人が得する政治に戻したくなかった。県民全体の利益を考えた県政を続けてほしい」「今回の選挙は不純な動機で始まったが、民意を示すことができた」などといいう声が聞かれました。

選挙の結果を受けて日本共産党高知県委員会の佐竹峰雄委員長は以下のような談話を発表しました。

高知県知事選挙の結果、橋本大二郎氏が5度目の当選を果たしました。日本共産党は、県政改革を継続・発展させる立場から、橋本氏を独自に支援して全力をあげました。この勝利は、高知県民の良識がしめされたものであり、橋本氏を応援した草の根の方々や21県政会の県議団のみなさん、日本共産党の立場を理解してご支援いただいたみなさんに心から敬意と感謝を表明します。今回の選挙戦は、理不尽な橋本知事引き下ろし攻撃が契機になり、利権集団と特定勢力とのしがらみの県政に逆戻りさせ、国のいいなりになる県政に変えようとする攻撃との激しいたたかいでした。相手陣営は、総がかりの布陣をくみ、「共産党県政」などと反共攻撃に終始しましたが、高知県民は、これらの攻撃をはねかえして、県政改革の前進を選択したのです。今後は、橋本氏と対決した側の方々も県民の審判を率直に受けとめて、県政を発展させる立場からともに手を携えていくことをよびかけたいと思います。日本共産党は、高知県政をとりまくきびしい状況のもとで、県民の暮らしと郷土を守り、高知県から政治の大元を変える流れを全国に発信していくために、ひきつづき幅広い人々と共同をひろげて奮闘する決意です。(中田宏)