2007年10月7日

新連載「橋本県政の16年 県民本位の改革の行方」
Gモード・アバンセ 闇融資事件
南国市にあったモード社の工場
平成12年3月1日、高知新聞の「県が12億円やみ融資」というスクープを皮切りに、元副知事や県部長が背任罪で逮捕され有罪となる、県政史上未曾有の大事件「協業組合モード・アバンセ(※)」への闇融資が明らかになりました。

問題発覚直後の3月13日、県議会予算委員会で公文豪県議(日本共産党)は、事件の背景には部落解放同盟いいなりの主体性を失った同和行政があることを指摘し、徹底した真相解明を求めましたが、橋本知事をはじめ執行部は、事件発覚直後の段階では「守秘義務」や内容を公表すると企業が特定され倒産するという理由で答弁を拒むなど、真相を明らかにする姿勢は非常に乏しいものでした。

この中で、平成8年9月に実行されていた闇融資についての報告が、2年以上たった11年5月まで橋本知事にされていないことが明らかになりました。前年に問題になった「高知商銀巨額焦付事件」と同様、県政上の極めて重要な情報が知事まであがらない「情報疎外」がここでも県政の弱点として明らかになりました。

同時に、公文議員が行った、県がモード・アバンセに闇融資をするために密かに作った要綱について「県民は等しく行政サービスを受ける権利を持っている。限られた1社だけに多額の融資を行い、予算を流用する。とんでもない話だ」との指摘に、橋本知事は「おっしゃることに理があると思う」と非を認めるなど、その後の県同和行政の転換、県政改革につながる認識も示されていました。
 
県議会は3月25日、事件の真相究明のための百条委員会を全会一致で設置(12年3月から13年5月まで)し、橋本知事、担当した県幹部、モ社関係者、部落解放同盟県連幹部などの証人尋問を精力的に実施。さらに百条委員が(全員一致と有志の場合あり)偽証罪とともに、モード・アバンセ幹部を詐欺罪で、元副知事ら県幹部を背任罪で告発します。後にこの告発が実り、公務員の行政判断においても背任が成立するという、行政の暴走に歯止めをかける意義のある判決が確定しました。

13年6月1日。百条委の調査終了を受けて臨時県議会が開催されました。緊急質問に立った田頭文吾郎議員は、部落解放同盟への屈服体質の清算と過去の同和行政へのきびしい全面的な総括を求め、これを受けた橋本知事は「同和対策をきびしく総括して出直す」と回答しました。

13年度の県予算では、すでに同和団体への団体補助金がカットされ、またこれまでゆがんだ同和行政の温床となっていた「同和対策本部」を廃止するなど、同和行政を転換する方向性が示され、臨時県議会前日の5月31日には同和団体との間に結ばれたものも含む「念書・覚書」がいっせいに公開されたこととあわせ、知事の並々ならぬ決意が伝わってくるものでした。

知事は過去には部落解放同盟へのシンパシーを公言するなど、「解同問題」への認識は非常に不十分なものがありましたが、モード事件を受け、特定強者の影響力を県政から排除していくためには、同和行政を早期に終結させなければならないという認識に到達。以後、解放同盟は橋本知事への攻撃を強めるようになっていきます。

モード・アバンセ 部落解放同盟県連が「同和地区住民の雇用の確保」という名目で強力に県に働きかけ、県下に点在していた縫製工場を協業組合化して平成6年から事業を開始し8年7月に操業を開始。総工費22億円のうち約14億円を同和対策事業の「地域改善対策高度化資金」から融資を受けた。モード・アバンセ社は、操業前から経営の先行きを不安視する四国銀行が協力せず資金繰りがショート。県は9月25日にモード・アバンセだけを対象にした「地域産業高度化支援資金制度要綱」を密かに作り、合計約10億円を同組合に県費から直接融資。その後約2億円追加し、その大半が焦げ付く。原資は他の予算からの流用。県はこの融資の存在を、高知銀行からの1日融資で残高を誤魔化す隠蔽工作をして議会や県民に隠していた。(2007年10月7日 高知民報)