2006年7月16日

連載 記者クラブを考える
I県政記者クラブからの回答(1)

新聞労連が発行している資料 
6月16日に県政記者クラブの総意として「高知民報」に寄せられた知事会見への参加要求への回答は以下のようなものでした。

@県主催の知事会見の参加団体は県が判断すべき。
A県政記者クラブが主催する会見、知事と県政記者との懇談会の参加は認めない。

その理由は、(1)会見参加者は記者クラブ加盟社であるべき、(2)政党・宗教団体の機関誌等は日本新聞協会に準ずる報道機関として想定されていない、(3)出席者が増えすぎれば際限がない、という3点でした。以下具体的に内容を見ていきます。

回答@について
  
橋本知事の定例会見は、県議会前に議案の説明をする場としての会見が年4回、「県政記者との懇談会」が年8回程度で、ほぼ月1回のペースで行われています。このうち議会前の4回の会見については県主催であり、残りの「懇談会」はクラブ主催であるということを、この間の高知民報とのやりとりの中で県政記者クラブ側が認識するようになりました。

4月に「高知民報」が問題提起するまでは、知事会見は全部ひとくくりにされており、主催権がどこにあるのかは県、記者クラブ双方ともに明確ではなく、知事会見はすべて「県政記者クラブの了解が得られない」ことを理由に高知民報は参加することができませんでした。

ところが今回の記者クラブの回答では、年4回の議会前の知事会見については県主催であることが明確にされ、記者クラブの承諾は不要になりました。県側は「高知民報」の会見参加を認めていることから、少なくとも年4回は知事会見への参加が可能になりました(6月16日の知事会見には中田が参加)。
 
回答Aについて

Aは県政記者クラブ主催の会見と「懇談会」については、クラブ加盟社以外の参加を認めないという内容です。ここであげられている理由を検証していきます。

(1)会見参加者は記者クラブ加盟社であるべき 県政記者クラブに加盟する各社が加わっているはずの日本新聞協会が出している「記者クラブに関する日本新聞協会編集委員会の見解」でさえ10数年以上前から再三にわたり「開かれた記者クラブ、開かれた会見をめざす」と強調していることとの整合性が全く見えません。「開かれた会見」を真っ向から否定する時代錯誤的な感覚は一体どうしたことでしょうか。

そもそも「非加盟社も会見に参加させるべきである」という問いかけに対し「参加者は加盟社であるべきだ」というのは断る理由の説明になっていません。回答のどこにも「本来、会見を開放していくべきだ」というニュアンスすら見あたらなかったことには驚かされました。