2008年10月5日

連載 続・高知市同和行政の今
27次回「見直し」にむけて運動強化を 

長浜児童館に掲示されていたパネル
「同和行政」を根拠付ける特別措置法が平成13年度末で完全に失効してから7年。高知市に残存する同和行政の4本柱(@清掃・警備などの同和団体への随意契約による発注振り分け、A「市民会館」、B「児童館」、C旧同和住宅の公募情報制限や選考方式採用などの特別扱い)の主要な柱であった随意契約による清掃・警備業務の同和団体への発注が3年以内に全廃される方向性が打ち出されるなど、高知市の同和行政終結へ、エポックメイキングともいえる重要な変化がありました。

しかし、9月18日の高知市議会では迫哲郎議員(共産)の「今後、同和行政をどう見直し削減していくのか」という質問に対して、上田隆司・企画財政部長は「19年2月に見直し作業を行っており、見直すところはない」との答弁。

執行部には「同和行政」の終結は視野に入っておらず、極めて「腰が重い」のが現実ですが、迫議員の再質問に対して上田部長が「21年から次回見直しが始まるので、現時点ではないという意味」と再答弁しました。

再答弁にあるように、21年度(22年2月)には高知市として次回「見直し」作業をすすめなくてはならず、すべての残事業を俎上にあげ、事業の是非を吟味していくことが迫られていきます。

執行部は今後5年間で300億円の歳入不足を最大限強調して、市民に大きな負担増とサービスの民間委託などアウトソーシングを矢継ぎ早に求めています。

このような中で年間約3億円もの莫大な予算をかけ13館すべての「市民会館」に正規職員を2人以上配置したことに象徴される高知市の「同和行政」の現状に、「これ以上『同和行政』を聖域化することは、市民に説明ができない」という声が市役所の内部にも根強くあります。21年度の「見直し」が実際にどの程度のものになるのか、市民的に注視して行く必要があります。

「同和随契」廃止の流れを作ったのは、「市民オンブズマン高知」のメンバーによる住民監査請求と住民訴訟でした。監査請求では原告側の主張は退けられたものの、裁判所が同和随契のあり方そのものの違法性を指摘したことが決定的でした。

今後の同和行政終結を求める運動の観点としては、執行部による見直し作業の進展の監視はもちろんですが、「同和行政」に対する積極的な情報開示請求、不合理な「同和行政」への住民監査請求の提起など、アクティブに行政に働きかけ、その結果を学習会やビラなどで市民に返し、不公正な「同和行政」の実態を正しく理解してもらう活動が来年にむけて重要になってくるのではないでしょうか。(おわり)(2008年10月5日高知民報)