2007年12月16日

連載 続・高知市同和行政の今
A高知民報も「差別者」に

 「高知民報」に言及する書き込みを高知市役所は削除すべきだと考えていた
「2ちゃんねる」に代表されるインターネット掲示板への書き込みについて、部落解放同盟は「部落差別を助長し、人権を侵害する悪質な書き込みが頻繁におこなわれている」との認識を示しています。

確かに「2ちゃんねる」など匿名掲示板には、旧同和地区の地名を当て字で「紹介」したり、「○○という苗字は部落民」というような書き込みが見られます。「解同」は、このような事態をもって「部落差別が深刻化しており」、「差別を規制する法整備」イコール「人権侵害救済法」の早期制定が必要であると力説します。

匿名掲示板には、このような次元の低い「差別的」な書き込みが見られますが、どこの誰が書いたものかも分からず、ごく一部の不心得者が書いた「落書き」と大差のないものでしかありません。これを市民の「部落差別の根深さ」に結びつけるのは、あまりに短絡的に過ぎます。

このような書き込みに影響され、市民に偏見が広がることなど考えられず、圧倒的多数の市民は、このようなものは受け入れない民主的な感性を持っています。

一方で匿名掲示板への書き込みには、「解同」への批判、「解同」いいなりに主体性を失っている高知市の同和行政を批判するものも数多く見ることができます。

高知市の特異な体質

10月9日の日付が入った高知市市民生活部の内部文書があります。タイトルは「インターネット上の差別的な書込について」。内容は8月8日に、「2ちゃんねる」に「部落差別につながる差別的な書き込みを確認し、高知地方法務局人権擁護課に「2ちゃんねる」管理者に削除手続きをとるように要請したというものですが、この文書では高知市として削除すべきであると考えている書き込みを具体的に示しています。

@「職員がそういう出先の部署に配置になったら同盟員にならないかと話がくるし、それは臨時職員も例外ではない」
A「同盟員になるの嫌だから断ろうもんなら『誰のおかげでここで働けるのか?』って言われる。(略)
Bホント、嫌だよね。未だに人事権は解同が握っているって思い上がっているのさ。
C高知民報に書かれている市の解同へのいいなりっぷりを考えたら、あり得ん話やないね。

「市民会館」(隣保館)に配属された市職員が、「解同」から様々な働きかけを受けることを批判した内容と思われますが、市職員・教員人事に「解同」が影響力を持っていることは、ここに書かれるまでもなく周知のことであり、「解同」高知市協とべったりの高知市同和行政への正当な批判が含まれています。これが、どうして「部落差別につながる差別的な書き込み」になるのでしょうか。

この文書によれば、「高知民報」も「部落差別につながる差別的」であるものとされているように読み取れることから、高知市同和・人権啓発課に「記事のどこが差別的なのか」と問い合わせてみました。

同課は、「高知民報を差別的と言っているわけではない。掲示板の中の多くの書き込みの一部をたまたま引用しただけ」と述べました。しかし、書き込み番号354、356を特定して削除要請しており、「たまたま引用した」などいえるものではありません。高知市の削除要請に対し、高知地方法務局は、354、356番の書き込みについて削除する必要はないと判断しています。「解同」と同和行政を批判するものに「差別的」とレッテルをはり、批判を封殺しようとする高知市の特異な体質には根深いものがあることがよく分かります。(2007年12月16日高知民報)