2007年1月28日

連載 高知市同和行政の今
H児童館(3)

  長浜児童館の運動スペース

「児童館」を使って活動している「子ども会」の実態は一般の子ども会では考えられない驚くべきものがあります(「子ども会」は11館ある「児童館」に対応して11会が組織されている)。

実態的には「子ども会」は、「児童館」という専用の建物と専従指導員を持ち、活動にかかる経費は公費で支払われています。同じ「子ども会」という呼称でも、子供会連合会に加入している一般の子供会とはまったく異なる行政丸抱えの「官製子ども会」なのです。

18年度前半の支出から、その公費の使われ方を具体例を見てみましょう。

6月3日 ○○○○合同子ども会「ほたるウォッチング」(行き先高知市重倉)28500円

7月29・30日 ○○子ども会夏季キャンプ(安田町)105000円

7月29、30日 ○○○子ども会親子ふれあいキャンプ(香美市)124000円

ここで紹介したのは、ごく一部ですが、子ども会の行事やキャンプに参加するため使った観光バスの借り上げ代金が公費で支給されています。

食糧費も同様で、ある「子ども会」では4月15日・お菓子代6300円、6月17日・昼食材料費7890円、7月15日・夕食・朝食材料費19202円、11月3日・昼食材料費5477円などと続きます。

一般の子ども会は保護者負担以外に収入はなく、観光バスを使って遠方にキャンプに出かけるなどの高額な負担をしなければならない行事に取り組むには、大きな困難が伴います。

子ども会連合会の関係者に、この実態を示して感想を求めたところ「そんな話は初めて聞いた。普通の子ども会の行事で市がバス代や食べ物代を負担するなどいうのは聞いたことがない。みんな親の負担でやっている。市が特別の子ども会だけに金を出すのはおかしい」と話しました。

高知市の18年度予算で児童館に関係する予算は指導員の人件費や館の管理費など約7900万円。この中にはこども会運営費としての452万円も含まれています。「市民会館」の場合、国の補助金が今も存在しているため、運営費用の一部を国が負担していますが、「児童館」の場合は財政的措置はなく、基本的にすべて市の持ち出し。財政的に破綻寸前といわれている高知市が、誰が見てもバランスを欠く特定「子ども会」への特別扱いをいつまで続けるつもりなのでしょうか。

現在高知市が検討している同和行政の「見直し」の中では、「児童館」存続の是非も検討課題にはなっていますが、「解同」には「児童館」の存続要求は根強く、メスが入るには、まだ時間がかかりそうです。