2005年1月30日
集中連載 高知県・高知市誘致「オーシャンテレコム」コールセンターって何?C
コピー機販売で地元業者を圧迫
オーシャンテレコムからの「ご案内」資料
オーシャンテレコムの営業開始から3カ月余。ベールに包まれていた業務の一端が判明しはじめました。相手の都合お構いなしに仕事場や家庭に一方的にかかってくるテレアポに閉口した経験は誰でもあると思いますがオーシャンテレコムの業務内容はこのようなテレアポです。
県企業立地課によれば「県外へマイライン(固定電話をかける時に優先的に使う回線)を販売している」とのこと。県外に電話をかけているためかその実態は県民によく分かりませんが、一方で昨年11月頃から県下の中小企業に「オーシャンテレコム」を名乗る電話がかかりはじめました。
電話の内容は「コピー機経費削減キャンペーンのご案内」。今使っている機種をシャープのコピー機に替えないかという勧誘です。ファックスで送ってきた資料には「トナー無料。カウンター料金一律4・5円」という文字が躍ります。セールスの特徴は、決裁権が現場にある規模の小さい企業をターゲットに「社長や担当者にあいさつしたい」と電話。ひとたび応じると「今使っている機種はどこか」「リース会社はどこか」「リース金額は」などと食い下がり、12月の時点では「年内に契約するなら特別価格だが、来年になってこの値段かどうか分からない」とこの価格は今だけであると思わせるトークで契約を迫まってきました。そこで「この値段は年内だけですね」と確認しようとすると、「よく分からない」とあやふやな返事が。
コピー機販売の大手A高知支社では「いたるところで影響が出ている。考えられないような金額で見積りを入れてくる。通常5年リースを6年で計算して月々のリース額を低いように見せかけている」。さらに大手以外にも小規模業者との摩擦が県下各地で出ています。
県・高知市の担当者に昨年末時点で「地元コピー業者から批判が上がっている」と取材をかけても「コピーを売っているのは初めて聞いた」という状態。年が明けてから県企業立地課が「コールスタッフ(テレアポ部隊)とは別に、10人ほどのOA担当部門がオーシャンテレコムの中にあるようだ。OA部門スタッフの人件費には公費補助はしないし、通信費や家賃への補助もOA部門の分は除外する」と言うようになりました。
オーシャンテレコムのコピー機の「安さ」には理由があります。@リコーやキヤノンなどのメーカーと比してシャープ機は値引き幅が元々大きい、A公費補助を一部除外するとは言っても多額の公金補助を受けるコールセンターと一体となって開業するのでインフラにコストかからない、B店舗不要のテレアポ、低賃金・長時間労働で圧縮した人件費、Cコピー機にとって重要なアフターサービスを県下でスタッフ4人のシャープ下請け会社に任せているので(紙詰まりやトナー切れなどのトラブルに急に対応できないのが実状)オーシャンテレコムは売るだけ。
高知市内の零細事務機業者は「昨年11月あたりからうちのお客さんとかなりぶつかってきている。自分がこの商売をはじめる時には小口には貸せないと融資もしてもらえなかった。不公平な気がする」と話していました。多額の補助金を使って結果的に地元業者を圧迫するようでは本末転倒。真の雇用拡大にもつながりません。オーシャンテレコムが何をする会社かまともに把握しないまま、他都市との競争に乗り遅れまいとやみくもに突っ走った弊害がここにも現れています。
1月19日、日本共産党高知市議団がオーシャンテレコムに調査に入った際に同行取材を求めましたが、またもや取材は拒否されました。その一方で調査を受ける側のオーシャンテレコムが市議のやりとりを録音。同社の特異な体質が露わになりました。(以下次号)