2005年1月23日


集中連載 高知県・高知市誘致「オーシャンテレコム」コールセンターって何?B
閉鎖体質が問題に


   なかなか見えてこないオーシャンテレコムの実態


「オーシャンテレコム」が開業して3カ月。一体何をする企業なのか。この問題を取り上げてから高知民報には県民から様々な情報が寄せられています。自社に都合の良いことしか言わないにしてもオーシャンテレコム側の公式なコメントも聞いておくのが公正な態度だろうと昨年12月、同社に正式に取材を申し込みました。

しかし、何度申し入れても「担当に伝えておく」ばかりでなしのつぶて。結局担当者の名前すら教えてもらえませんでした。何回もたらい回しにされ放置された後に「文書で申し込むように」と連絡がきたので、文書をファクスしましたが、やはり音沙汰なし。実質的な取材拒否です。

高知民報は昨年9月に「オーシャンテレコム」が行った求人広告が違法スレスレであると指摘した記事を掲載(労働条件については後の連載でも掲載する予定)。その後、県議会予算委員会や高知市議会で親会社の「光通信」の体質や労働実態が議論になった経過があることから「オーシャンテレコム」が高知民報を快く思わないのは無理もありませんが、巨額の税金を受け取ろうという企業には、批判的なメディアにも一定の情報をオープンにする社会的責任が生じるのは当然です。同社の閉鎖的な対応ぶりは公金が投入される自覚に著しく欠ける企業であることが見て取れます。

日本共産党高知市議団が「オーシャンテレコム」の実態を調査するため会社の見学を申し入れた所、間に入った高知市の担当者が「写真はとるな。パソコンの画面が見える場所には立ち入るな」と条件をつけてきました。「それはオーシャンテレコムの意向か」と担当者に聞くと「そうではない。自分の考え」。高知市は取材拒否について「前に書いた記事(昨年9月)が気に入らなかったからだろう」と当然視するなど、多額の公金が投入される企業の社会的責任を理解しているとは思えない姿勢が目立ちます。

オーシャンテレコムについて昨年12月20日の県議会産業経済委員会で以下のような質疑がありました。

谷本敏明委員(共産緑心) ガードが固く取材に応じないと聞いている。公開して差し支えない部分はたくさんあるのではないか。入社してから労働条件が違うようではいけない。県としても追跡調査してもらいたい。

樋口秀洋委員(21県政) 執行部はこの会社は何ら問題ないという答弁したからには、こういうことが出てこないように念押しする。

池脇純一委員(公明) 実際の雇用内容がハローワークと違うという声、「別にうちで働かなくてもいい」という高圧的な雇用関係が漏れ聞こえている。そのことを取材にいけば取材拒否するような会社を本当に信用できるのか。県はしっかり担保していないと不名誉なことになる。取材拒否する企業は何か裏があると思ってしまう。

執行部の答弁は指摘されるような問題点を一定認識しているようすは感じられますが、いったん県という大組織が動き出すとなかなか軌道修正できないのか、それともやはり問題点を認識できていないのか、「光通信」と「オーシャンテレコム」を結果的に美化し、税金投入を合理化するものに終始しました。

年が明けてから「年末は社長が忙しかったようだ。取材も受けると言っている」と県企業立地課が高知民報に連絡してきました。(以下次号)