2022年4月10日

中空間が活性化のカギ 西敷地事業 ハコモノ勘弁してほしい 第3期中活    
 
 おびさんロード関係者から三期中活計画策定委員会に提出された意見書
 
 三期中活計画第2回検討委員会(3月30日)


高知市中心市街地の空洞化を防ぎ、賑わいを取り戻す事業をすすめる「第三期高知市中心市街地活性化基本計画」(2023年度年から5年間)」策定委員会(古谷純代会長)の第2回委員会が3月30日に開かれましたが、会議の場では商店街出身委員から、形式的でない実のある論議を求める資料が提出される等、これまでの延長線でない、まちづくりと「活性化」を考える場にしていこうという機運が出てきています。

議論の特徴としては、街に賑わいを取り戻すためには補助金と箱モノに依存する従来型「中活」ではなく、市民と当事者の願いに応える自律的なまちづくりに向けた関係者の努力を重視し、街中への空間の創出が重要であるという方向性が示されています。

この日の委員会では事務局の市商工振興課が2021年7月の市民意識調査の結果を報告。中心市街地に必要な施設や機能について、商業、芸術・文化、子どもの遊び場、観光、イベント、公園・広場という回答が多くを占めた結果が報告されました。

また3人の商店街出身委員から、今後の討議のたたき台にするための資料が配布されました(おびさんロード商店街振興組合と高知市商店街振興組合女性部の要望、中山徹・奈良女子大教授のレポート概要)。

この中で西敷地については「一番の関心事」であるという高い関心が示され(おびさんロード)、箱モノによる「高度利用」ではなく、空間を生かした活用を市民の声をよく聞いて決めるべきであるとの内容が示されました。

これらのことからは、中心街に対して、誰もが利用でき、子どもが遊べ、文化イベントやよさこい踊り等にも活用できるゆとりある空間を市民や商店街関係者が求めていることを読みとることができます。

一方、この三期中活計画と並行して、オーテピア西敷地の利用方法を決める事業が進行しており、市は依然として高度利用にこだわる姿勢を変えていません。しかしながら、中心街活性化に向けた高知市としての基本計画を策定する場での議論であり、西敷地利活用事業の事業選定においても、少なくない影響を与えていかざるをえません。

三期中活計画策定委の次回会議は5月を予定。8月、11月頃に開催し、パブリックコメントを経て年内に計画を確定。年明け1月に国に提出し承認を得るスケジュールとなっています。 (2022年4月10日 高知民報)