2021年5月2日

南国市 DHCとの協定解消 民族差別容認できず
南国市は化粧品やサプリメント等を販売している株式会社ディーエイチシー(本社は東京都港区、吉田嘉明・代表取締役会長、以下DHC社)との間で締結していた包括連携協定を、吉田会長による民族差別は認められないとして解消することをこのほど決定し、同社に通知を送達します。DHC社は2020年11月、2021年4月に吉田会長名で在日韓国・朝鮮人に対する偏見に満ちた差別、蔑視発言を同社の公式ウェブサイトに掲載(現在も掲載中、写真参照)し、全国的に大きな問題になっています。

3月市議会で中山研心(立憲)、土居篤男(共産)議員から「会社として民族差別を扇動する悪意がある。毅然とした態度を」、「国際条約にも反するヘイト発言は認められるものではない」という指摘があり、平山耕三市長が「会社の公式ホームページに国籍、人種、民族差別を助長するような文章を公然と掲載したことは非常に残念だ。あってはならない。削除を申し入れ、削除されない、また削除されても再度このような発言が掲載されるようなことがあれば、協定解消も考える」と答弁していました。

同市民課によると議会の指摘を受けて4月中旬、DHC社に対し担当職員が電話と電子メールで公式ウェブサイトにおける問題の文章を削除するよう要請。DHC社側から削除しないという回答があったことから、4月中に解消を通知。1カ月後には正式に協定が破棄されることになります。

この包括連携協定は2017年2月21日に締結され、同年9月27日には災害発生時に市民の健康維持のため同社のサプリメントを有料で南国市が購入することを定めた覚書が交わされています。協定に基づく具体的活動としては、同社サプリメントの無料サンプルの市民への配布、DHC社公式サイトに連携自治体として南国市の名前が記載されています(高知県内では他に宿毛市)。

南国市議会ではこれまでも、DHC社子会社のDHCシアターが制作した番組が、沖縄基地反対運動をデマで貶め人権を侵害したことが問題視され、協定は不適切であるという指摘がされていました。

南国市市民課のコメント 会社の公式サイトにヘイト発言を書くようでは連携協定を南国市として続けられないとDHC側に話をしたが、社として対応はしないという返事だったので、協定内容に基づき解除の手続きとることにした。これまでは会長個人の考えとみていたが、会社の公式サイトに書くからには、そういうことではないと判断した。(2021年5月2日 高知民報)

写真 (上)DHC社公式サイトに会長名で記載されている文章の一部、(下)DHC公式サイトに連携自治体として南国市の記載もある