2017年10月7日

衆院高知2区・広田一氏無所属で出馬 「安保法は違憲 主義主張は曲げられない」
会見に臨む 広田一氏(10月5日、高知市内のホテル)
10月5日、広田一・元民進党高知県連代表(元参院議員)が、次期衆院選に高知2区から無所属で出馬することを明らかにしました。この中で広田氏は安保法を念頭に「政治家として大事な所は曲げるつもりはない」と強調。安保法による集団的自衛権行使は違憲であり認められないと主張しました。

広田 高知2区に無所属で立候補することを決意した。巨大な安倍政権を倒し、高知2区で世代交代を進めるためには、私自身が退路を断って、純粋無所属で立ち上がることで幅広い政治勢力を結集することが必要と判断した。

中央政界では離合集散が続いているが、私はそうではなくて、こういう時だからこそ、これまで県民に訴えてきた主義主張を曲げることなく、自らの信念を貫くことが大事だと思っている。

真っ当な政治という旗を立て、高知2区から草の根の風を起こし、現代の自由民権運動を立ち上げ、私自身が先頭に立って頑張っていく覚悟だ。

■今回の解散について

広田 政治の世界は一寸先は闇と言われるが、まさしく今がその状況。急な解散総選挙に世論調査では国民の7割が「大義がないので反対」の意思を示している。

安倍総理は森友加計問題について国会で誠実に答弁していくと約束したにもかかわらず、今回の臨時国会、1分も議論することなく冒頭解散したことに多くの国民が「これはおかしい」と考えている。当然のことだ。北朝鮮問題が緊迫の度を高める中、何をやっているんだという声も聞く。大義名分なき党利党略解散だ。

逆に言えば長期政権で生じた傲慢さ、権力を私物化した安倍政権に国民が鉄槌を下す絶好のチャンスがやってきた。数さえあれば何をやっても構わない、強行採決に象徴される強引な政治が続いている。安保関連法、TPP、共謀罪、カジノ法が具体例だ。支持率さえあれば何を言っても構わない傲慢な政治、閣僚や与党議員から耳を覆いたくなるような発言が相次いでいる。

森友加計問題は規制改革に名を借りた、利益誘導政治が本質。総理夫人が名誉校長だったら、総理の長年の友人だったら、税金が垂れ流されることがまかりとおろうとしてきた。今回の衆院選は、こういった安倍政権を倒し、政権交代を果たすことが争点であり、私自身このことを強く訴えていく。

選挙で訴えたいこと

広田 高知2区では古いしがらみ政治を変えるための世代交代をすすめ真っ当な政治を実現することを訴える。あべこべの2枚舌の政治が高知2区では長年通用してきた。道路特定財源一般財源化、郵政民営化、TPP。地元では絶対反対と言いながら国会に行けば賛成に変わる。言っていることとやっていることが180度違う。今後もこういった政治が続くなら。国民は何を信じて一票を投じればいいのか。

言っていることと、やっていることを変えない。高知県人らしい真っ当な政治を2区のみおなさんと一緒に取り戻すことを訴えていく。

立候補を決意してから高知2区を回ってきた。その数2万以上。代議士の「代」は、国民の思いを国会で代弁することだが、中山間地域では空き家、一人暮らしが増え、年金介護医療が最も切実に感じている。年金は減るが保険料があがり、天引きされることに不安をもっている。

この不安が国政に届いているのか。私は届いていないと思う。だからこんな社会情勢になっている。自立という名で孤立している一人暮らしの方がたくさんいる。こういった所に政治の光を当て、ぬくもりのある社会を作りたい。

政治を変えるとは税金の使途をかえること。総理のお友達に税金を使うのでなく、海外にバラまくのでなく、もっと必要なところに使っていく。故郷の風景、財産を次世代に残していくことは未来への責任。この責任を果たすため、そろそろ、世代交代をすすめようと訴える。

希望の党について

−公認申請したのか。

広田 民進党が希望の党に合流する話は青天の霹靂だった。民進党公認者全員が希望の党に公認申請するということが決められ、選別仕分けがあったが、私には公認内定が来た。重く受け止めて考えたが、私の主義主張、最も大事なところは変えることができない。共有する部分もあるが、総合的に判断して内定を丁重に辞退した。私自身は公認申請は出していないし、協定書に署名もしていない。

−立憲民主党にはいかないのか。

広田 立憲民主党からも公認候補で立候補してほしいという要請はあったが、今回は無所属で立候補するので丁重に辞退した。自民党現職は9期連続当選している大ベテランで選挙に強い。強敵を乗り越えるため、自らの主義主張を県民に訴え、幅広い政治勢力を結集していく観点に立って、今回純粋無所属で立候補を決断した。どの党にも推薦願いは出さない。退路を断って背水の陣で戦うことが大事と判断した。

安保関連法について

広田 集団的自衛権は明らかに違憲だ。限定的であろうが、違憲の法律を容認することはできない。政治家であるので幅広く考え、柔軟になるところはなっていかなくてはならないというのは長年県議、国会議員をやっているので理解できるが、政治家として譲れないというものがなければ、国会議員の職責(が果たせない)。ここについては厳格に考えていかなくてはならない。主義主張の大事なところは曲げるつもりはない。

−野党共闘についての受け止めを。

広田 去年の参院選で野党が協力して立憲主義をとりもどすため、それぞれの党が違いは残しながら大同についてきた。これは県民への責任。私はその責任を当時の民進党県連代表として背負ってきた。選挙の時だけでなく、「19日行動」にも行き思いを共有してきた。これは大事なことだ。

政治は様々な形で変わらなければならないこともあるが、継続して大事にしなければならないこともある。昨年参院選では今まで戦って来た者同士が、大義の下に集まった。次の衆議院になったらまた敵同士、争点も思いも同じなのに、ということをやっていては、県民に「参院選は何だったのか」と思われる。

私自身、もっと都合の良い選択はあったかもしれないが、県民への責任を果たしていくことは政治家として最も大事なことだと思っている。

憲法・消費税

広田 平和国家日本を世界に示す憲法9条を守り深化させることを選挙戦でしっかり訴える。安倍総理は憲法9条に自衛隊を明記する、憲法違反という人がいるからという見解だが、これまでの自民党の憲法解釈を180度変えるもの。自衛隊はいろいろ議論はあるが、9条の平和主義、前文、13条の幸福追求権から導き出される必要最小限度の自衛措置を担保する組織としての自衛隊は合憲と考えているので、あえて憲法に明記する必要は全くない。

県議と国会議員の一番の違いは安全保障を担うかどうか。安全保障の起訴は国民の生命財産を守ることだ。その点について自ら発言し行動してきたこと、これはいろんなことがあってもやはり守っていかなくてはいけない。

安保関連法については、集団的自衛権行使は限定的であっても憲法違反。これは正して立憲主義を取り戻さなければ、禍根を残す。日本の外交安全保障上も重大な問題をもたらす。

将来的には消費税増税をお願いしなければならないと思う。ただ、今の高知県の経済状況は、とてもそういった状態ではない。今は増税すべきではない。(2017年10月7日 高知民報)