2017年9月1日

県・高知市新図書館西側市有地プロポーザル 市民への情報開示頑なに拒否  「概要も出せない」高知市長


岡ア誠也高知市長が8月31日の記者会見で高知県・高知市合築新図書館西側市有地(2500平方メートル)を、民間企業に50年程度借地させて占有させるために、企業を公募する作業に入ろうとしていることについての記者とのやりとりの要旨を紹介します。

―選定過程が非公開で不透明だが、方針に変更はないか。

岡ア市長 プロポーザルの中には資金計画が入ってくる。プロポーザルで出された機能を持った施設整備が実際にできるかどうかは資金計画が重要なポイントになる。資金計画がないプロポーザルは審査できない。どこから融資を受けて、何年で返済して、返済能力があるかどうかということを含めた審査に通常なるので、非公開が原則と考えている。

民間提案にはノウハウやアイデアが詰まっているので、高知市が採用しなかった場合、他のところに転用する可能性も考えられるので、基本的に非公開でないと審査ができない。

働きかけを防止するためにも非公開にする。その方向は議会にも説明しているので、変えるつもりはない。9月中にプロポーザルに関する公告を行い、その段階でこういう形で審査しますよということをオープンにする。ただ審査の状況は公開しない。

―提案の中身は決まるまで出さない?

岡ア市長 途中ではださない。

―その方針は変えるつもりはない?

岡ア市長 企業の重要な資金計画も入ってくるので、なかなかオープンにできない。

―それで市民の納得が得られるのか?

岡ア市長 オープンにすると、資金計画など企業情報や非公開事項も入ってくるので、全部公開されると、今回は出さないでおこうということになりかねないので今回は非公開でいきたい。

―資金計画を出さないのは分かるが、簡単な事業内容も出さないのか。

中澤慎二副市長 いろんなところから賛成反対の声があがるかもしれない。プロポーザルの審査委員に公平な判断をいただくには、決まるまでは出すことにはならない。

―簡単な内容を出すことでどんな働きかけがあるのか。

中澤副市長 行政に対する要望が、いろんなところから出てくる可能性がある。委員に判断いただくには、やはり出さないほうがいい。

―市民の要望が出ると審査に影響が出る?

岡ア市長 委員の判断で公正に点数を付けてもらうのに内外のいろんな働きかけはないほうがいいと判断している。途中の経過は出さないことにしている。

―ひろめ市場など営業の利害関係者に説明もしないのか?

岡ア市長 途中でオープンにはしない。一番高得点のものが選ばれた段階で、その業者が優先契約第一位になるが、本契約前に議会に示す予定をしている。

審査委員が点数をつけて、一番上位が何点でこういうものが選ばれていますということを本契約の前に議会に示す流れを考えている。その時点でオープンになるので、どういうものが選ばれているのかは広くみなさんが知ることになる。それまでに事前の説明はできない。

―議会というのは3月議会の委員会?

中澤副市長 議会に示した後に業者と契約すべきという方向で行っているが、3月議会を想定している。議会に出して意見をいただいた後で契約を結ぶ。

―委員会に示しても議決ではない。それで契約をはねられるのか。ただのガス抜きではないか。

岡ア市長 法律的に言うと議案ではないので、議会が否決する案にはならない。ただ、執行部と議会は両輪で、議会の大多数がこれはいかんということなら、立ち止まってどうするかというのはありうるが、選定業者との関係がどうなるかは考えなければならない。議会の大多数がこれはいかんというなら、立ち止まって考えることはあるかもしれない。法律上はそこまでしかいえない。

―概要なら裁量で出せるのではないか。

岡ア市長 今のところ予定してない。

―なぜ市民に情報を出すことを避けるのか。

岡ア市長 最終的には出す。

―それは決定後だ。市民が情報を知って議論すべきではないのか。

岡ア市長 市民全体の評価を受けることは想定していない。執行部と市民の代表である議会に情報を公開して意見をいただく。途中で出すことは想定してい
ない。

―それではブラックボックスと言われてもしかたがない。

岡ア市長 過去のプロポーザルで働きかけがあったケースがある。委員に影響が及ぶので避けることにした。

―委員名は出さなくても、内容はある程度出せる部分があるはずだ。

岡ア市長 ・・・

(2017年9月1日 高知民報)