20165年4月17日

桂浜「道の駅構想」の怪 P桂浜整備計画との齟齬
 
桂浜整備計画と「道の駅構想」の整合性のなさが摩擦をうんでいる
今回の浦戸地区への「道の駅」構想は都市建設部の所管であり、高知市の観光行政の主流である商工観光部の担当ではない。

商工観光部では、高知県の代表的な観光地で、年間70万人から80万人もの観光客が訪れる桂浜公園のリニューアルが待ったなしになっている現状から、「桂浜公園整備基本構想」を策定(27年4月)。

連続的に基本計画、実施計画へと進み、間断なく魅力ある桂浜観光を再生していく努力が求められるが、これに後から割り込んできた「道の駅構想」のあおりを受けて、桂浜本体の計画に少なくない影響が出ていることは看過出来ない。

当初のスケジュールでは27年度内に、「構想」を具体化した桂浜公園整備基本計画を策定することになっていたのだが、これが延期されている。「理由は当初想定していなかった2つの不確定要素が生じたから」(商工観光部幹部)。

2つの要素とは、@海岸の「三重防護」、A浦戸「道の駅」である。

@南海トラフ地震対策で、海岸の堤防を増強する計画が新たに持ち上がっており、堤防の高さが未確定では売店を集約する東浜エリアの眺望にかかわり計画が立たない、A「道の駅」がどういうものになるのか見通しが立たず困っている。物販などが共倒れになってはいけない、ということが懸念されていた。

一方で、桂浜観光を停滞させるわけにはいかず、商工観光部ではまもなく計画を策定するとしている。

関係者によると、@堤防の高さは人命に関わることで国が決めた通りにやる。高くなることを前提に計画をすすめる。A「道の駅」の先行きが見みえないが、待っているわけにはいかないので、こちらの計画に合わせてもらう」と見切り発車の構え。随所に商工観光部側の苛つきが見える。

それもそのはずで、高知市で最も重要な観光地である桂浜の再整備計画を地元を巻き込んで進めている最中に、「後出しジャンケン」で、「道の駅」構想が持ち込まれ、その先行きが見えないというのでは、現場に不満が広がるのも無理はない。(つづく)(2016年4月17日 高知民報)