2015年11月8日

伊方3号機再稼働やむなし 尾崎知事
 
伊方原発の再稼働やむなしとコメントする尾崎知事(10月26日14時57分) 

尾ア正直・高知県知事は愛媛県知事が伊方原発3号機再稼働を了承したことを受けて10月26日午後、県庁内で記者会見し、再稼働を「やむを得ない」とコメントしました。

理由として、高知県と四国電力の勉強会を繰り返す中で、安全対策と電力供給不足の懸念については四電側から「一定合理的な説明があった」と評価しました。

同時に原発への依存度を低下させていく具体的な方向が四電側から示されていないことには「不満」と不快感をあらわし、「正直、稼働しないでいられるものなら、しないままでいたほうがいいと思う」と述べるなど、複雑な胸中をのぞかせる一幕もありました。

尾ア知事の発言要旨は以下。

尾崎 立地県である愛媛県の知事が慎重に下した決断を我々としても大いに尊重しなければならない。

(安全性) 四国電力との勉強会を重ねる中で、何重にもわたって最悪の事態を想定した対策をとっていることが分かった。慎重な上にも慎重な対応といえる。津波対策、電源喪失についても何重にも対策を張り巡らせていこうとする取り組みが見えてきた。

(必要性) かなり老朽化した火力発電所をなんとかやりくりして電力需要をまかなっていることが分かってきた。火力発電所が1基停止しただけで電力がまかなえなくなるギリギリのところにきている。今のような綱渡りを、いつまでも続けていける状態ではない。

(原発依存度の低減) 十分な答えは残念ながらもらっていない。依存度を低減にむけた具体的な方向性を示してほしいと言ってきたが、必ずしもそうはなっていない。

安全性と必要性については四電から一定合理的な説明があった。現時点でいえば伊方3号機の再稼働はやむを得ない。

ただ安全性の確認にはこれから新たな疑問が出てくるかもしれない。安全対策には終わりはない。引き続き勉強会を継続して様々な疑問をぶつけて、安全対策の徹底を求め、依存度低減の方向性を示すように訴え続けていく。(2015年11月8日 高知民報)