2015年10月25日

「連載 尾崎県政の2期8年」 ㉓共産、今回も対立候補立てず
 
対立候補を擁立しないことを公表する佐竹共産県委員長(10月14日、県庁)

高知県知事選挙の告示まで2週間となった10月14日、県庁の県政記者室で8年前の知事選に國松勝氏を擁立した革新県民連合と日本共産党高知県委員会・同県議団の合同記者会見が開かれ、4年前の選挙に続き今回も対立候補を立てない態度をとる方針が正式に表明された。

佐竹峰雄・同党県委員長は、尾崎県政の大企業やビックプロジェクトの呼び込み型でない第一次産業を中心にした産業振興と雇用創出をめざす県政の基本姿勢を評価。「どこでも知事が県政浮揚に心血を注いでいるという声を聞く」という県民の声も紹介し、県政の基本は県民要求に応えるものであるとした。

6月の憲法審査会公聴会で安保法案に理解を示した尾﨑の発言には「誤った見方であり、容認できない」と批判しつつ、「野党だから、すべからく対立候補を立てるという考え方はとらない。県民にとって県政がどうあるかだ」、「(安保法案)だけで一切許せないとするのではなく、県民要求から総合的に判断し、対立候補は立てず是々非々で臨み、問題点は正していく」と述べた。

共産県議団は尾崎県政の2期8年、全国学力テスト関連、県立高知短期大学廃止関連など限られたものを除き予算に賛成してきている。予算に賛成し県政を信任しておきながら、選挙になってにわかに対立候補を立てるのは筋が通らないといえる。

尾崎県政の「内政」は評価するにしても、安倍政権への追随姿勢=安保法や原発再稼働への妥協的態度は許されないという指摘があるが、その通りである。同県議団は議会質問などで繰り返しこれを批判し、今後も問題点は正していくとしている。

同党の今回の判断は、安保法制に理解を示す知事を支持したり推薦するというものではない。安保法制や安倍政権への評価の違いはあっても、県政の実態を県民要求からみた時に、対立候補を立てる必要まではないという判断である。

逆に言えば、「内政」は評価できるが安保法制への認識が異なるので、それを争点に知事選挙をするということを県民が望むだろうか。そうとは思えない。今回の判断は多くの県民に理解されるものではないだろうか。(N)(2015年10月25日 高知民報)