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講演する小森教授(10月3日、高知市立自由民権記念館) |
小森陽一・「九条の会」事務局長(東京大大学院教授)が10月3日、高知市内で講演し、個人一人一人が主権者として立ち上がった「2015年安保」運動の特徴、「九条の会」の活動が改憲勢力を押し返している今日の運動の到達点を解明しました。女性「九条の会」高知の主催。
同会の活動10周年を記念して開催された講演会では、松繁美和・同初代事務局長(自治労連副委員長)が「九条の会、派遣村、3・11の運動を経て、みんなが日本社会の在り方を根本から考え初めている。一点共闘からさらに深まり、政治を変える方向に進んでいる」とオール沖縄の闘争を踏まえて発言。
小森事務局長が90分にわたり、戦争法反対運動の特徴点と60年安保闘争との違い、明文改憲の危険が迫った2004年から始まった個人参加型の緩やかな組織としての「九条の会」の発足以降の運動の到達点について講演しました。講演要旨は別項参照。
■小森事務局長の発言要旨
空前の2015年安保の特徴点と60年安保闘争との差異について、@意識的な共同の努力の結実(総ががり行動実行委の実践)、A東京だけではなく全国各地方での広範囲な行動(60年安保当時には見られなかった)、B国民一人一人の主権者としての自主的なたちあがり。「60年安保はホワイトカラー、大学生などの動員された運動、デモ隊は靴、周囲でデモを見ていた人は下駄や草履履きだった」。
60年安保闘争で動揺した日米支配層は、メディア支配、労組分断=総評解体、社会党解党、大学自治破壊など、安保闘争の原動力となった要素を90年代まで破壊し続けてきた。
2000年代になり明文改憲へ踏みだす危険が迫る中、04年6月に「九条の会」を結成。安倍第一次内閣のアフガンPKO出動を阻止して政権を行き詰まらせ、名古屋高裁でイラク派兵違憲判決を出させ行政と司法に切れ目を入れた。改憲を指向する世論を逆転させて、反貧困運動の広がりの中で民主党への政権交替を実現させるなど押し返してきた。
この運動の力はまだあり、強まっている。この力を来年の参院選で勝つために地域の政治運動へ転換できるかどうかにかかっている。(2015年10月11日 高知民報)
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