2015年9月13日

ファンキー末吉 ドラム&トークライブ  日朝和解、次世代に託す  ロック音楽で生徒と交流 
 
 
ファンキー末吉さん
平壌の高校生にロック音楽を教えた元爆風スランプのドラマー・ファンキー末吉さん(56)が、ドラムを叩きながら生徒との交流、日朝関係を語るドラム&トークライブ「ファンキー末吉 平壌・北京・ロック」が9月6日、高知市内で取り組まれました。日本コリア協会・高知主催。

ファンキーさんは、2006年から11年にかけて朝鮮民主主義人民共和国・平壌市の「6月9日高等中学校」軽音楽部の生徒にロック音楽の演奏を指導するプロジェクトに参加。

この日のステージでは、ファンキーさんが作曲した北朝鮮初のオリジナル・ロック「ムルンピョ」を、生徒が演奏してレコーディングした音源に乗せドラム演奏を披露。

ムルンピョとは疑問符=?を意味し、「私はクエスチョンマークを愛する」という意味深な内容。同校の国語教師の作詞によるもので、生徒達は初めて聞く激しいリズムに戸惑いながらも、貪欲に演奏技術を吸収していったといいます。

また、北朝鮮の花形楽器であるアコーディオン用にファンキーさんが作曲した「豊年の春」を生徒と合奏した時のエピソードとして、「互いの心を通わせることが、初めはうまくいかなかった。生徒が心を閉ざしていると思っていたが、違った。『北朝鮮の子どもが日本人に心を開く訳がない』と思い込んでいた自分が原因だった。これは国と国でも同じ、自分が心を開いているかどうか日本人は考えるべきだ」と述べ、今は再開の目処が立っていないロックプロジェ
クトをぜひ再開させ、「また教え子に会いたい」とライブを締めくくりました。

ファンキーさんのトークから。

「北朝鮮の子どもは笑わない、能面のような作り笑いと思っていたが、すごく個性的だった。日本より、枠にはまっていないのではないか」

「日本人は北朝鮮は孤立しているように思っているが、実際には世界の多くの国と国交があり投資もされている。日本人は北朝鮮のことを知らされていない」

「平壌の人達は、ある種のタブー以外は、想像より遙かに自由だった」

「日本と北朝鮮には解決ができない領土問題がない。北朝鮮は日本と国交正常化をしたがっている。日朝が仲良くすることで中国を牽制できる」

「一党独裁をやめ民主化してほしいし、会いたい人間と会えない世の中を何とかしてもらいたいが、私たちの時代はこじれてしまって難しい。次の世代に託したい」(2015年9月13日 高知民報)