病弱教育に取り組んでいる高知県立高知江の口養護学校(高知市新本町)の今後の方向性を県教育委員会が諮問していた「高知県における特別支援学校の再編に関する検討委員会(第二次)」(是永かな子会長)の5回目の会議が8月31日、県教育センター別館で開かれました。この日の検討テーマは、今後の同校に必要な施設面についての検討でしたが、現在地からの移転を視野に入れた議論が大勢を占めました。
議論の中では、従来からの病弱児童生徒に加え、心身症等を伴う発達障害の児童生徒が増加している同校の実態を踏まえ、現在はない運動場や広い体育館など身体を動かすことが可能な施設を必要とする声が多くだされ、パニックになった子どもが落ち着きを取り戻すためのクーリング・ルームや、保護者が集まり情報交換をできるスペース、グループホーム的な寄宿舎なども求められました。
現在同校は、高知赤十字病院北側、約4300平方メートルの建築面積で3階建ての校舎と寄宿舎が建っていますが、施設はほぼ敷地一杯で、運動場などを新たに作ることは困難。検討委の議論を取り入れるためには土地の買い増しか、移転するしかないのが現実です。
また同校に隣接する高知赤十字病院は、平成31年までに秦南町への移転が決まっています。現在同校への進入路は日赤側の土地に地上権を設定して確保しているため、土地が転売された時、これまでと同様に進入路を共用できるかどうかにも不透明さがあります。県教委が日赤側から土地を買収することも考えにくいため、移転は事実上の既定路線になっています。県教委幹部からは「(移転先の)選択肢は持っている」という言葉も聞かれます。
検討委員会は9月末頃を予定した次回会議を最終回とし、「まとめ」を策定。県教育委員会特別支援教育課では、「年内には方針を明確にする県立特別支援学校再編振興計画(第二次)をまとめたい」としています。(2015年9月13日 高知民報)
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