2015年8月23日

「コリア通信 ソウルの労働者」 J民主労総2015メーデー
 
5万人が集結したメーデー集会(ソウル広場)

2015年5月1日15時、ソウル市庁前のソウル広場は5万人の労働者で埋まった。戦闘的労働組合として知られる全国民主労働組合総連盟(民主労総)の中央メーデー集会である。もう一つのナショナルセンターである韓国労総は国会議事堂近くの汝矣島公園で集会を開いている。

ソウル広場のメーデー会場には組織名を書いた組合旗が林立していたが、白い旗が圧倒的に多く、赤旗は皆無なのは韓国らしい光景だ。反共法の歴史があり、今でも国家保安法がある「戦時国家」としてのこの国の複雑さが垣間見える。

集会の開始時間が午後3時というのも日本とは趣が異なるが、各単産が会場に入ってくる時にはインターナショナルを流し、シュプレヒコールを上げながら続々とデモをしながら入場してくるなど熱気がある。

会場の巨大なステージには「最低賃金時給1万ウォン」、「パククネ大統領退陣」、「労働市場構造改悪阻止」、「すべての労働者に労働基準法適用を」などのスローガンとともに、セウォル号沈没事故の責任追及と真相解明に連帯する黄色のカラーが目立つ。

数万人規模の大規模な集会で、広場を囲んだ広い車道にもはみ出した大勢の労働者が座り込み、車が通行出来ないが、ソウル広場は360度全方向にフェンスがなくて出入り自由ということもあり、全体的には驚くほどスムースに運営がされ、混乱はなかった。

韓国の労働者は集会では、あぐらをかいて座り込む。日本ではあまり見かけないスタイルだが、ソウル広場は手入れの行き届いた広場で極めて快適。座り込めば見通しも良くなるし、演説を聞くのも楽である。演説の要所で「闘争!」など掛け合いがあるのも面白い。

パク政権の「構造改革」=新自由主義的な弱者切り捨て策に真正面から対峙することを柱に、セウォル号沈没事故の真相解明・責任追及の闘争とも合流し、パク政権打倒を協力に主張していた。(写真と文=中田宏)(2015年8月23日 高知民報)