 ２０１５年７月２６日 |
||
| 「連載 尾﨑県政の２期８年」⑬ ホルムズ海峡十把一絡でダメではない |
||
尾﨑の発言を要約すると、①外国への攻撃であっても科学技術の発達で我が国への急迫不正の侵害とみなすことができるという憲法解釈変更は許され、法律を作っていくことは一定容認される、②自衛の目的を越えてはいけない。本当に自衛の範囲に入るかどうか国会で個別議論を詰めよ、ということに集約される。 ２０１３年に尾﨑が現憲法下での集団的自衛権行使を認める発言をしてからこれは一貫しており、県議会答弁、記者会見で繰り返し述べてきたことであるが、問題の立て方が恣意的で誤っている。 「憲法９条が許す自衛の範囲での集団的自衛権行使」という議論自体が成り立たないことは、多くの憲法学者や内閣法制局元長官が繰り返し指摘している。 自国への「急迫不正の侵害が」なくても先制攻撃をするのが集団的自衛権であり、尾﨑が言う「憲法９条下で認められる自衛の範囲での集団的自衛権行使」という定義は二律背反で成り立たない。時々の政府の判断で攻撃されていない国に対しても先制攻撃が可能になるという本質を誤魔化すものでだ。 個別事例に即した議論で言えば、国会でもホルムズ海峡での機雷掃海が繰り返し俎上にあがっている。安倍政権はホルムズ海峡の機雷封鎖を、「存立危機事態」として武力行使を可能としているが、尾﨑は「ホルムズ海峡だから十把一絡げでだめといか、全部いいということにはならない」と言って（６月１９日の記者会見）、ホルムズ海峡での機雷掃海が、尾﨑が言う「急迫不正の侵害と合理的につながる」ものであるかどうかについては答えないかった。ホルムズ海峡の機雷掃海は、尾﨑のいう用件に当てはまらないと考えるのが普通の感覚だが、それは口にしない。（Ｎ） 尾﨑 諸外国との協調なくして 我が国の安全は守れない。そういう意味に置いて集団安全保障（ママ）についても一定容認されるべきだと考える。他方であくまでも自衛目的に限られるべきだ。自衛目的に限るという点からいけば、憲法９条について議論がある中で、（武力行使の）旧三要件の範囲に入っていることが大事だが、我が国に対して急迫不正の侵害については、科学技術の発展によって、そういうものを踏まえた事実上の解釈変更というのも一定程度容認されるべきだ。 あくまでも我が国への急迫不正の侵害があることが大事だが、それが諸外国に対する攻撃であっても、ほぼ連続して、我が国に対する急迫不正の侵害につながりうるものであれば、それは急迫不正の侵害と同義とみなすことができる。 旧三要件の精神に基づいて連続的かつ合理的な範囲内の解釈の変更は認められるのではないか。その新三要件に基づいて法律を作っていくことは一定容認される。 ただし、個別の事例に則して、是非詰めた議論を行ってほしい。これが自衛の目的を越えてしまうようなことになってはいけない。本当に自衛の範囲に入るのかどうか、国会で十分議論してほしい。（２０１５年７月２６日 高知民報） |
