2015年7月19日

「コリア通信 セウォル号の遺族たち」G チング5人組の母達
 
息子の写真を撫でる母親(5月2日、光化門広場)
光化門広場の祭壇の前で来日経験があるオム・ソンヨン(39)に亡くなった息子の話を聞いていると、「チング」という言葉が何度も飛び出す。「チング」とは親友の意味である。

ソンヨンは、亡くなった息子ソンフォには仲の良い友達の5人組があったと言い、息子と共に亡くなった友人の遺影を探して教えてくれるのだが、そうしているうちに5人組の友人の別の母親も話に加わり、いろんなことを話しかけてくれた。

どの子も大人しそうな雰囲気だったのが印象深い。きっと真面目な校風の高校だったのだろう。

母親たちが亡くなった息子たちの写真を愛おしそうに撫でる姿を撮影するため、コンパクトカメラを使ってノーファインダーでシャッターを切る。大きな一眼レフカメラを構えては、彼女たちがカメラを意識してしまうから。

写真の母親は名前を聞くことはできなかったのだが、よく喋る元気なタイプの女性で、亡くなった息子の話をする時、写真に頬ずりせんばかりの表情が印象に残った。

最愛の息子たちを亡くした母親たちは、パク・クネ大統領をはじめとする韓国政府の対応には、激しい憤りと怒りを隠そうとしない。船体を引き揚げての真相究明、責任者の厳正な処罰を強く求めているが、まだその道のりは遠い。(写真と文=中田宏)(2015年7月19日 高知民報)