2015年7月5日

「コリア通信 セウォル号の遺族たち」F JR福知山・大川小遺族との交流
 
息子の遺影を見つめるオム・ソンヨン(5月2日、光化門広場)
次に知り合った遺族は39歳のオム・ソンヨンだった。2年4組35番チェ・ソンフォという男子生徒の母親である。

彼女は今年4月に大阪を訪れ、107人が亡くなったJR西日本・福知山線事故や、東日本大震災で大きな犠牲者を出した石巻市立大川小学校の遺族と交流した体験を持っているということで日本語が分かるということで紹介された。

ソンヨンの話によると、彼女はJR福知山線事故で娘を失った藤崎光子さんとメール交換をしているという。「日本語を7年勉強してきたが、なかなか上手にならなかった。もっと勉強して、また日本に行きたい」。

また大川小の遺族と面談したことには強い印象を受けており、「逃げる時間があったのに、子どもを逃がさず犠牲者が出た。私たちの事故と大川小は同じだ。話をしていて胸が一杯になった。日本で良い経験ができた」と話していた。

突然の事故で家族を失った者同士。言葉は違えど、その深い悲しみは通じ合うものがあったのだろう。彼女たちは国境を越えた遺族の交流によって何かをつかみ、少しづつではあるが、前へ進もうとしているように見えた。

ソンヨンに日本で何が美味しかったかと聞くと「タコヤキ」という答えが返ってきた。(写真と文=中田宏)(2015年7月5日 高知民報)