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講演する安田浩一氏(5月17日、高知市)
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在日韓国・朝鮮人やヘイトスピーチ問題の取材を続け、多くの著書があるフリージャーナリストの安田浩一さんが5月17日、高知市の高知共済会館で講演しました。主催は高知保険医協会(大岩稔幸会長)。安田さんは「傍観も差別の許容につながる。目に見える形でノーと発言することで社会が変わっていく。カウンターデモの広がりは希望だ」などと述べました。
安田さんは在特会(在日特権を許さない市民の会)や在日コリアンへの取材体験を紹介しながら、「自分で変えることができない属性を理由に差別中傷するのがヘイトスピーチ。朝鮮人を殺せと集団で叫んでも許されるのが今の日本社会だ」と警鐘をならし、「初めはデモの形態の目新しさに目を奪われ、被害者が見えていなかったが、何も新しくない。ずっと私たちの社会が克服できていない問題の表れだ」、「ヘイトスピーチをやる人は、ありもしない在日特権を信じ込んでいる。右翼・保守ではなく、ただのレイシストだ」。
ヘイトスピーチをなくしていくための方策として「ヘイトスピーチは人間を壊し、戦争に繋がっていく。声をあげ形にして民族差別ノーと言う決意が大事だ。黙っていることも許容につながる」と法規制も含めた民族差別を許さない社会づくりを呼びかけました。
講演を聞いた40代の女性は「ヘイトスピーチが一部の特殊な人の問題ではなく、日本社会にとって根深い問題であることが分かった。身近なところから民族差別のない地域づくりを広げていきたい」と話しました。(2015年5月24日 高知民報) |