2014年7月13日

県立高校再編 今秋方針決定の構え 見切り発車は禍根残す
県立高知南高校・同中学校を事実上廃校し、同高知西高校に新中学校を併設し、同英語科を国際バカロレア資格の取得をめざす国際グローバル学科へと改編しようとしている県教育委員会は、計画に強く反発している南中高保護者などとの意見交換を続けていますが、ここにきて県教委から9月には議論を終結
し、計画を固めてゴーサインを出すことを臭わせる発言が続いています。

6月25日の県議会本会議で「しかるべき時期に責任ある判断が必要だ」と早期の計画決定を迫る三石文隆議員(自民)の質問に対し、田村壮児教育長は「この計画策定は避けては通れない課題であり、いたずらに先送りすることは適当でない。来年度から本格的に推進していくためには必要な予算を編成する必要があり、10月から11月にかけ中学生の進路決定時期となるため考慮する必要がある」と答弁。

一方で田村教育長は「丁寧な協議をすすめていくこともまた重要。こうしたことを念頭に関係者への説明と意見交換を重ねていく」とも述べています。

今回、県教委の姿勢に変化が見られたのは、南中高関係者からの「たたき台と言うが県教委は何も変えるつもりはない」という批判に押される形で浮上してきた「より統合感のある別案」。南中学校に入学した生徒が西高へ進むことを念頭に置いていると思われます。

解説 県教委が提示を検討している代案は、将来西高を受験するであろう多くの中学生との公平性を考えれば、今以上の反対の声が起きることも想像されます。そもそも、今回の計画が学校関係者に明らかになってから、まだ5カ月ほどしかたっておらず、議論は始まったばかり。生徒減少の中で初めての高知市内の県立中高をなくす議論であり、わずか半年強で反対の声を押し切り議論を打ち切るようなことでは、教育への県民参加を標榜してきた県教育の歴史的汚点、禍根を残すことになります。松原和廣・高知市教育長は高知市議会の計画の白紙撤回決議も踏まえて「少なくとも白紙撤回に近いくらいの徹底した議論が必要だ。数カ月程度先送りしただけのようなものでは認められない」と、これまで繰り返し態度表明しており、一方的な議論の打ち切りは高知市の教育関係者の理解も得られるものではありません。(2014年7月13日 高知民報)