2014年4月13日

5分間の審議で埋め立てOK 県港湾審議会が浦戸湾埋め立て承認

 
ドック拡張が計画されている新高知重工
高知市仁井田地区にある造船会社・新高知重工から、大型船の受注機会増のために総トン数25000トンに対応するドック拡張にともなって浦戸湾の一部=0・22ヘクタールを埋め立てる許可申請が高知県に出されたことを受けて、3月28日に高知市内で第33回県地方港湾審議会(会長は原忠・高知大農学部教授)が開かれ、埋め立てにともなう高知港港湾計画の一部変更を承認しました。審議の時間は5分程度、県側の「影響は軽微」との説明を追認するに止まりました。

県土木部が防災面で行った説明は以下。

@昭和53年に高潮堤防の整備が完了し、以前と比べれば随分効果は高まっていると思っている

A南海地震対策として若松町地区では護岸を補強している。

B埋め立て面積は2200平方メートルで、水面上昇は0・6ミリメートルという報告を(業者側から)受けている。

この説明を受けて原会長が「風水害や地震については十分な検討がされており影響は軽微」と取りまとめ、港湾計画変更を認めることを尾ア正直知事に答申することが了承されました。

審議会委員には高知市の代表もいましたが発言はなく、埋立法に基づき市議会に提出された同意議案が全会一致でなく反対意見があった事実は紹介されぬまま。時間100ミリメートル以上の豪雨で国分川が氾濫し浦戸湾に流れ込んだ濁水で鏡川らが逆流して被害が出たもっとも近い大災害である「98豪雨」についても、議論ではまったく触れられませんでした。埋め立て許可は4月下旬から5月上旬には出される見込み。(2014年4月13日 高知民報)