2014年4月6日

田村・新県教育長が会見 「現場重視、子ども守る」
 
田村新県教育長
4月から新しい高知県教育長になった田村壮児氏(58)の就任会見(3月25日)の要旨を紹介します。

田村教育長 中沢卓史(前)教育長が、これまで手腕を発揮し、教育改革が一定上昇軌道に乗ってきたと思っている。その軌道が失速することがないよう、しっかり継続していくのが私の務め。その際に自分として心がけたいことは2点ある。

一つは現場が一番大切だということを心したい。どんな仕事でも現場は大事だと思うが、中でも教育は日々、生徒児童こどもたちに接し、教育をしている現場の先生方が、いかにモチベーションを持って、あるいは誇りを持って頑張っていただけるかということが一番大事だと思っている。

ただ、個人個人の思いがバラバラではなく、チームとして一定のベクトルを合わせた形で頑張っていけるようなことをやっていただく必要がある。それを教育委員会としてしっかりサポートしていくのが重要。

二つ目には、大人の責任として、子どもをしっかり守ることが必要だ。南海トラフ地震などの災害、いじめや虐待、犯罪、命、身体、心をしっかり守っていく。それ以外にも、いろんな形で子どもたちの成長に悪影響を与える事柄から大人の責任としてしっかり守る。

当然、学校教育、教育委員会だけでできるわけではないので、地域社会や県庁の他部門とも連携協力してやっていきたい。

この2つに共通するのは、教育委員会と現場、地域とのコミュニケーションが一番大事とうことだ。学校・教員・市町村教委と県教委がしっかりコミュニケーションして意思疎通を図っていく。地域社会に出て行ってしっかりいろんな形で話しを聞き、こちらの思いも伝えて連携協力できる態勢を作っていくことが大事。

記者 教職員の不祥事が多発しているが。

田村教育長 最終的にはそれぞれの教員の自覚を待つことが基本。罰則強化などはこれまでも十分やってきている。先生は子どもたちが親以外で初めて濃厚に接する社会人なので、子どもたちの人格形成に与える影響は非常に大きい。そういうことをしっかり自覚して、誇りを持っていただく必要がある。

記者 高知県の教育の課題をどうとらえているか。

田村教育長 学力問題については一定向上してきた。小学校は全国でもかなり上位になってきているが、中学校が全国的に言えば、全国(平均)に近づいてきたとはいえまだ低いということはある。特に中学1年で、学力が低下してしまう問題があるようなので、それば大きな課題だ。基礎学力はついてきた一方で、応用問題はまだまだという部分もある。応用問題に対応できる学力をいかにつけるかということも大きな課題だ。県内の子ども達の数で言えば大きなウエイトを占める高知市における学力向上も大きな課題とは聞いている。

記者 高校再編計画について。

田村教育長 再編問題についてアウトラインは聞いているが、私自身がまだ腹に入った形で聞いていないので、まずは自分自身の腹に入れたい。その上で中沢(前)教育長も言っているように丁寧に議論をしていくことに尽きる。議論に必要な材料などはできるだけ提供しながら丁寧な議論をしていく。

記者 再編計画と一体のスーパーグローバルハイスクール認定から漏れたが、スキームは変わらないのか。

田村教育長 そのことも含めてこれから聞いていく。来年度の国の補助金がもらえないということではあるが、そのことイコール取り組み自体が全部ダメになってしまうということではない。どちらにしても、これからしっかり話を聞いて考えをまとめていきたい。

記者 県費単独でもやるのか。

田村教育長 今、予断をもって話をするのは控える。(2014年4月6日 高知民報)