2014年2月23日

プルトニウム消費ありきの伊方3号再稼働 MOX+ステップ2燃料 ハイリスク運転に固執
 
 プルサーマル運転について説明する四電幹部(2月13日、県民文化ホール)
 
伊方原発、右が3号機

四国電力が申請している伊方原発3号機の再稼働は、全国に例のないステップ2燃料(ウランの濃度を高めた燃料)とMOX燃料(プルトニウムを用いた燃料)の組み合わせによる、制御の難しいプルサーマル運転に固執した計画で、四電側は通常ウラン燃料による運転は考えておらず、再稼働の最大の動機は電力ではなく、増えすぎたプルトニウム消費である本質が明らかになりました。2月13日に高知市内で開かれた県と四国電力の「勉強会」で判明したものです。

「電力不足」、「燃料高騰」解消のために早期再稼働が必要であるとするならば、制御が困難で危険度が高いプルサーマル運転に固執する必要はなく、少しでも住民の抵抗感の少ない通常ウランでの運転めざすはず。再稼動の舞台裏が垣間見えました。

11回目になる勉強会に参加したのは高知県側は田村壮児林業振興・環境部長、杉本明同副部長、酒井浩一危機管理部副部長、塚本愛子新エネルギー推進課長ら。

四国電力側は広報部エネルギー広報グループリーダー・奥田昌三氏、同原子力部業務グループリーダー補佐・大田茂氏など本社幹部。

この日の勉強会は3時間に及び、プルサーマル以外にも耐震性、津波対策、原子炉の緊急停止、電源喪失対策、燃料プールの安全性、火災対策、経年劣化などのテーマで質疑応答しました。

プルサーマルをめぐるやりとりでは、高知県側の「MOX燃料は制御が難しいのではないか」との指摘に、四電側は「その時にはMOX燃料のプルトニウムの濃度を調整したり、中性子を吸収する物質を混ぜたりしてMOX燃料の反応度を調整する」と回答。

さらに県側の「反応度を落とすと効率が落ちる。MOX燃料を入れる意味があるのか。プルトニウムを再利用することが目的か」との問いかけを、四電側は否定せず認めました。

伊方3号機以外には関西電力・高浜原発3号機でもプルサーマルによる再稼動申請がされており、電力不足や燃料高騰を口実にしたプルサーマル運転の再開には、ハイリスクを承知で増えすぎたプルトニウムを消費させる電力会社側の強固な構えが透けてみえます。

さらに、伊方3号機はステップ2燃料をMOX燃料に加えた全国的に例がない方式での再稼働申請であり、二重に安全性を軽視した姿勢は波紋を広げそうです。田村部長は「国の安全審査が終わり結論がでた時に、県としての判断ができるように独自に積み重ねている」と勉強会の意図を説明しました。

2月13日の県と四国電力の勉強会でのプルサーマルについてのやりとりの詳細は以下。

四国電力 MOX燃料とウラン燃料では制御棒の効きが違う。MOX燃料は中性子が少ないので制御棒があまり効かない。通常運転中はホウ酸の濃度で出力を調整している。

 MOXはウラン燃料に比べ、不安定で制御が難しいということか。

四国電力 MOXには制御棒が効きにくい特性がある。

 MOXが多くなると制御が難しくなるという理解でよいか。

四国電力 その時にはMOX燃料のプルトニウムの濃度を調整したり、中性子を吸収する物質を混ぜたりして、MOX燃料の反応度を調整する。

 反応度を落とすと効率が落ちる。せっかくMOX燃料を入れる意味があるのか。

四国電力 一気に燃えず、じわじわ燃えるようになって長く使えるようになる。

 それでもウラン燃料よりMOX燃料のほうが効率がいいのか。

四国電力 ・・・

県 どちらかといえばプルトニウムを再利用することが目的か。

四国電力 そっちだ。

 こういう運転の安全がどこかで実証されているのか。

四国電力 国の安全審査で確認されている。

 伊方3号機はステップ2燃料(高燃焼燃料)とMOX燃料の組み合わせだが、こういう組み合わせのプルサーマルは他に例があるのか。

四国電力 伊方だけだ。

 3号機の再稼動申請はプルサーマル運転が前提か、ウラン燃料にする考えはないのか。

四国電力 ない。

 プルサーマルをはじめて、あまり時間がたっていないはずだ。

四国電力 約1年。

 資料には「事前に四国電力において十分な安全性を確認した」と書かれているが、具体的にはどういうことか。

四国電力 実際に燃やすことはできないので、既存のデータを解析して評価した。

 「確認した」というのは言い過ぎではないか。 (2014年2月23日 高知民報)