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香南市の高知駐屯地を離陸する陸自大型ヘリCH47 |
南海トラフ地震を想定した日米共同統合防災訓練(TREX)が2月7日、室戸市中央公園、香南市陸自高知駐屯地、土佐市沖洋上などで実施されましたが、米海兵隊のMV22・オスプレイと大型ヘリCH53は、前線による悪天を理由に訓練に参加せず、自衛隊単独の訓練に。オスプレイの災害対応能力の弱さを露呈させました。
オスプレイ不参加の情報が高知駐屯地や県に入ったのが9時16分頃で、普天間と岩国基地間の天候と視界不良、機体への着氷の恐れを理由に普天間基地を離陸しないという連絡が海兵隊側からありました。
沖縄周辺には前線を伴う低気圧が発生し、高知県内は小雨が降る天候でしたが荒天ではなく、沖縄と本土を結ぶ民間機にも欠航は出ていませんでした。「この程度の天候で飛べない機体が、災害救援の役に立つのか」という声が各方面から上がっています。
この日、オスプレイの飛来が予定されていた香南市の陸自高知駐屯地では陸自大型ヘリCH47や空自ヘリが離発着を繰り返し、物資の積み下ろし、燃料補給などの訓練を実施。土佐市沖に停泊している海自護衛艦「ひゅうが」間などを飛行しました。土佐清水市での訓練は中止されました。
同日、県立高校で実施された高校入試への影響について県危機管理部は「室戸、中芸、海洋、清水のいずれもヘリが来た時には試験は終わっており影響はなかったと報告を受けている」と述べました。
安全第一評価できる 県危機管理部長のコメント
訓練終了後の高松清之・県危機管理部長のコメントは以下。
(米軍の不参加は)訓練の一貫性からいうと残念だったが、天候による安全第一でのキャンセルは、勇気ある判断であり評価できる。1回だけで「やって良かった、悪かった」という話ではない。積み重ねて習熟していかなければならない。この半年間で2
回訓練の機会を持ったが、県庁とは文化の違う米軍・防衛省と、協議調整をしてきたことで、いざという時のカウンターパートのことが互いに分かってきた。実働はできなかったがこれは成果だ。
オスプレイは来るな 駐屯地前で抗議集会
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400人が参加した抗議集会(2月7日、陸自高知駐屯地前) |
2月7日に香南市、土佐清水市、土佐市沖などで予定されていたオスプレイが参加する日米共同統合防災訓練(直前にオスプレイは参加中止)に抗議する集会が同日、香南市の陸上自衛隊高知駐屯地前で開かれ400人が参加。「オスプレイはくるな」とシュプレヒコールしました。
集会では県平和委員会の徳弘嘉孝理事長が「防災と言いながら陸海空自衛隊と米軍が軍事訓練をしようとしたが、オスプレイも米軍ヘリも来ないという発表があった。またオスプレイを参加させようとするだろう。そうさせないために集会成功を」とあいさつ。
県平和運動センターの山ア秀一議長が「オスプレイは飛んでこない事実が証明したのは、いざと言う時には米軍は役に立たない。助けてもらえる保障はどこにもない。日米政府はオスプレイの訓練を全国に拡大することを狙うが、沖縄の基地とオスプレイを固定化することだ。全国どこの空にもオスプレイは飛ばさない」と基調報告しました。 集会では日本共産党、社民党、新社会党の代表、岩国市、和歌山県、岡山県、香川県、徳島県からの参加者が連帯あいさつしました。同日、土佐清水市の空自土佐市清水分屯基地付近でも60人が参加して集会と自動車パレードによる抗議行動を展開しました。(2014年2月16日 高知民報) |