なぜ伝聞で済ませるのか 土電社長の招致なし 補助金凍結は解除

土佐電鉄の西岡寅八郎元会長(自民党県議)、竹本昭和元社長らによる暴力団問題、株主優待航空券私物化やずさんな管理、県議会政務調査費の詐取疑惑と偽領収書発行の疑いなどを理由に執行が凍結されていた同社への8755万円の県補助金が1月29日、産業振興土木委員会の賛成多数で凍結解除されました(賛成は自民、公明、県政会、南風、反対は共産)。

同委では補助金統括解除の前提として土電の片岡万知雄新社長を招致して、再発防止策を確認すべきか否かの議論があり、中根佐知委員(共産)は「執行部からだけでなく、執行部のチェック機関として直接、議員が新社長から話を聞くのは当たり前だ。又聞きばかりでは予算を凍結させた議会として県民に説明責任を果たせない」と主張。

一方、中西哲委員(自民)らは、「旧執行部が起こした問題であり、新執行部に替わって日も浅い。現時点で呼ぶ必要はない」という発言を繰り返し、招致を徹底して忌避する姿勢に終始。中内桂郎委員長(県政会)が新社長の招致をしないことで取りまとめました。
この後、執行部が土電の役員刷新などを理由に凍結解除が妥当であるとする報告を行い、中根委員は「公共交通の大切さ、社員の忸怩たる思いを考え凍結解除を願ってきたが、手順を踏まない又聞きの話だけでの凍結解除には積極的になれない」と反対意見を述べましたが、他会派の賛同で凍結解除が確認されました。

川村雅計・県交通運輸政策課長は「予算は委員会の議論で凍結されていたので、今日の確認で完全にクリアされた。直ちに補助金執行に入る」とコメントしました。(2014年2月9日 高知民報)