1月15日に開かれた高知県議会産業振興土木委員会での各委員発言の要旨を紹介します。
中根佐知委員(共産) 私たちは予算凍結という重い議決をし、どうしても県民にとって解除しなければならないことは少しずつ解除してきたが、やはり公共交通としてふさわしい土佐電鉄になり、県民も安心して信頼して利用できる形に県議会としてもしなければならない。9月議会の解明決議に基づいて、具体的に土電側に聞くことによって、その後の方向を決めていくべきだ。
@暴力団問題について、新しい体制になってもしっかり反省点として踏襲されなければ困るので質問する。
A政務調査費の領収書問題は、不適切に利用された可能性があると、土電側が報告したことに端を発している。まとめ切りをしたとか会長の判断だけではなく、会社も簡単に許してきた連帯責任がある、責任の所在を明らかにすべきだ。
B株主優待航空券の問題について、元会長の個人的所有物という考え方ではなく、会社としての考えを明らかにして今後に生かすべきだ。
Cコンプライアンス確立、ガバナンス欠如を反省して今後に生かすという意思表示があるべき、ということで提起した。
新体制になるという報道もされているが、予算凍結を解除にあたっては、議会が直接土電側の意見を聞くのは当然の行為だ。本来、土電側から説明があってしかるべき。この質問内容をたたき台に、よりよいものにしてほしい。
武石利彦委員(自民) 呼ぶことに反対ではないが、呼ぶのであればきちんと呼ぶ目的、何を解明しなくてはいけないのかという論点整理をしっかりしないと、議会で取り扱う内容にそぐうのか、そうぐわないのか、非常に懸念されるので、どにような質問をするのか共産党に出していただいたが、Cは意見だ、質問ではない。
株主優待航空券のところでは、会社法違反に該当する事実はないのか、税申告が必要ではないのかというのは、土電の見解を聞く必要はないとは言わないが、こういうことは土電に聞くのではなく、我々の調査範囲でしかるべき調査をすべきものではないかという気もする。もう少し整理する必要があると現時点では感じている。
樋口秀洋委員(自民) 予算の議決権があるということで、私たちも土電を呼ばなければいけない場面も出ると思うが、県執行部が答弁を誠意を持ってやったら解決できる問題もある。やはりもっと執行部と質疑してからでないと、何もかも次から次へと民間会社を呼んでくるのはどうか。執行部との質疑で問題が解決される部分もあるし、それでも解決できなければ土電を呼ばざるを得ないという方法ではないか。
池脇純一委員(公明) 常任委員会としての調査事項というものがある。共産党からの質問だと、これは非常に100条委員会に近い形で追及型が散見される。そこのところが基本的に違うのではないか。土電が何かそうしたことを犯しているのであれば、当然こうした質問をすべきだろうが、このような質問を来ていただいてやるというのは、委員会の調査内容にはなじまない。まず、中央地域公共交通再構築検討委員会の状況をしっかり見極めることが前提になる。今の段階で土電の関係者を呼び、こうした内容を聞くことは慎重な検討が必要だ。
ふぁーまー土居委員(南風) 直接、今すぐ土電を呼ぶ呼ばないと決めるのは早計ではないか。
依光晃一郎委員(自民) 土電は非常に大事な公共交通であり、慎重にしなけれないけないので自分自身にも迷いがある。凍結解除に対しては県民に一定議会の意思を示す必要があるのではないか。
武石委員 今日、この場でなかなか呼ぶ呼ばないと決め切ることが難しい。土電も近々株主総会も行うという話も報道されているので、もう1回会派に持ち帰って、呼ぶならどの範囲の質問をするのかということを、もう少し具体的に詰め切っていかなければならないので、次回検討するようにしたらどうか。状況も見ながら。
中根委員 議運でやりながら、この委員会でやれということだった。役員を替えるので凍結解除だと、その流れだけでいいのか。直接土電から意見を聞くことも大事ではないか。土電そのものに、しっかり自覚してもらい、繰り返さないよう認識してもらうことが一番大事だと考え案を出した。中身は変えても構わない。
武石委員 おっしゃる通り。我々もそういう理念は持っている。それはまったく同じだ。より具体的にどうするのかを詰めるべきと言っているので、それを各会派でやろうと。法律の専門家にも聞かないといけないし、いろいろやるべきことがある。補助先とは言いながらも、会社の経営など踏み込んではいけない部分もあると思うので。
樋口委員 あくまで土電は民間会社だ。それに県が補助金を出している。本来であれば議会と執行部が議論を交わさないといけない部分を土電に飛んで行ったら、議会が土電の経営人事体制に対して圧力になる恐れもある。そういうことはすべきでない。もっと慎重にやる必要がある。補助金を出しているから、対象会社に何でも言えるというのはまた別だ。
中根委員 一企業ではあるが、それに止まらない問題が発生したから予算凍結まで議会が踏み込んだ。樋口委員の認識は甘い。議会が予算凍結するのは相当重いことで、それを私たちはやっている。それを解除する方向にどうやって持っていくのかが一番大事だ。
樋口委員 重さは知っているが、やはりバランスというものがある。
西内健委員(自民) 暴力団関連問題はガバナンスの問題。経営体制が変わろうとしている中で、掘り下げて聞くことが本当に意味があることか。政務調査費も株主優待航空券も同じくガバナンスの問題として処理すべき。一つ一つ細かく聞くことが果たして本当に委員会がやるべきことか。非常に疑問だ。
中根委員 暴力団問題は元会長、元社長だけではなく、他の役員も知っていたのではないかと問いかけている。会長の個人商店ということが外部調査委員会報告で出されている。そういう体質をきちんとさせるにはどういう質問が必要かと考えた。みんなでしっかり練っていただければよい。
西内委員 体質を変えるというのは、はっきり言って答えがない。その中でガバナンスをしっかりさせ、ある程度経営体制を変えていきなさい、役員も代えるように踏み込んだ意見も出てきた中で、土電が変わろうとしているのを見て、ある程度執行部がちゃんと対応しているんだということを見るのが委員会の仕事であり、土電という企業に一つ一つ細かく入っていくのが果たして正解かというのは疑問だ。
中根委員 土電が一丸となって、決意を示すことがなければ、そこから先に進めない。
池脇委員 それは土電がきちんと新体制で決意表明している。
中根委員 どこでですか。
池脇委員 きちんと信じることではないか。委員会で決意表明しろというのは、我々がやるべきではない。
中根委員 談合問題の時は、県建設業協会が「二度と繰り返さない」と説明にきた。それくらいの思いを示すのは当然だ。「土電は変わりました」と言える形を考えるためであり、企業を痛めつける方向にはならない。
池脇委員 談合の場合は当事者だから。この場合の当事者は会長であり社長だ。
中根委員 「個人商店」ということが問題になったわけで・・・
池脇委員 それは報道で作られた言葉。
中根委員 外部調査委員会報告に載っている。
武石委員 ここは裁判所ではない。常任委員会としてやるべきこと、そうではないこと、最初からこれをずっと言っているが、理念ばかり空中戦で議論されて具体論に入っていないので、今日はこれで打ち切り、各会派で整理する。どの時期にどういう質問をすべきということをまた詰めていこう。
池脇委員 呼ぶことが前提なのか。
武石委員 前提ではない。呼ぶ必要がなければ呼ばない。こういう人物にこういうことを質問しなければならないということになれば当然呼ぶべきだ。まだ詰まりきっていない。
中内委員長 (共産党が提示した)質問の中には執行部が今まで答えてきたこともあるが。
金谷正文・中山間対策・運輸担当理事 質問事項を拝見したが、十分腹に入る入らないはあろうが、全項目について一度我々から答えている。
中根委員 土電としての姿勢は、執行部を通してではなく、きちんと聞くべきことがある。 (2014年1月26日 高知民報) |