近くて遠い隣国 韓国からのレポートQ 「弘大のジャズクラブ」
 
ジャズクラブ・エバンスでの演奏、プレイヤーも観客も若かった
韓国は日本とならぶ「ジャズ大国」である。ジャズの登竜門、米バークリー音楽院の学生の半分は、日本人と韓国人だそうだ。

韓国にも日本と同様に米軍からジャズが持ち込まれたのだが、長い軍事独裁政権の時期にはジャズが下火だったために中堅演奏家の層が薄い反面、現在は若い世代が元気に活動している。リスナーも若い。

高齢者の音楽と化した日本のジャズシーンとは対照的だ。

8月9日、ソウルのアート系学生が集まることで知られる私立・弘益大学校前、ジャズクラブ・エバンスを訪ねた。

ピアノ、ドラム、ベース、サックスの男性カルテット。まだ学生のようにも見える。確かに演奏には硬さもあるが、何せ若い。これからが楽しみだ。客席を埋めた学生風の若者たちは前のめりにスイングしていた。

3時間ほど座り、飲み食いして、ライブをたっぷり楽しみ日本円で3500円程度。ずいぶんリーズナブルだ。ソウルの夜は熱かった。(写真と文・中田宏) (2013年12月22日 高知民報)