高知県教育委員会が今年度末決定をめざして取り組んでいる「県立高校再編振興計画」=(生徒数が大幅に減少していく中で統廃合を含めた県立高校再編と高校教育の拡充をめざす計画)の議論が大詰めを迎えていますが、この計画を審議し議決する教育委員が計画案について事前に公開の場で意見交換する教育委員協議会が12月5日に開かれました。この中では事務局が示す今後の高校再編のシルエットが浮かびあがりました。
特徴的だったのは過疎地域の学校をこれ以上減らさないための配慮と、生徒が集中する高知市内の学校と海沿いの学校を統廃合していく方向性。
過疎地の生徒の学ぶ場を保障する配慮は積極的であると同時に、現状でも高知市内の中学生が市内校に行けず周辺校に押し出される状況の中で、さらに高知市内の学校を減らす方向は大きな問題を生じさせる懸念があります。
一方、高知市内に学び直しを特色とする学校を新たに設置するという前向きな提起もありました。
県教委としては本計画が「これからの高知県の高校教育にとって非常に大事な計画になる」(高等学校課)ことから、拙速な計画策定は避け、県民や市町村の意見を取り入れながら論議をすすめたいとしており、年度末までに策定するという当初のスケジュールにこだわらない姿勢も見せています。
■事務局が提示した主な論点
@生徒数大幅減 平成25年6781人→34年には1000人減る
A県全体のバランスを考慮した配置 多様な教育活動を保障するため学校統廃合を視野に入れた再編、高知市の学校への生徒集中は周辺の学校の生徒減につながるため、県全体のバランスを考慮して配置する
B南海地震対策 13校が浸水地域にある。海沿いで大きな被害が予想される学校は被災後の早期学校再開のため適地への移転統合を検討
C進学拠点校 難関大進学を目的にした合宿、スーパーティチャー養成。国際バカロレア(国際大学入学資格)の導入
D学び直しに対応する学校 高知市に増設
E適正学校規模 1学年4から8学級だが、高知市の学校は6から8学級の維持に務める。過疎地域とは分けて考える。
F最低規模 過疎地の学校、不登校中退者・発達障害のある生徒に対応する学校は特例として1学年1学級を最低規模とする。分校は1学年20人が2年連続して満たない場合に募集停止(これまでの3年のうち2度よりは緩和)。定時制は1学年10人にこだわらず学校全体で20人。不登校中退者・発達障害のある生徒に対応する多部制単位制昼間部は1学年1学級20人とする。(2013年12月15日 高知民報) |