近くて遠い隣国 韓国からのレポート P「川をいかした街づくり 清渓川」
 
ソウル市民の憩いの場になっている清渓川
ソウル市中心部を東西に流れる清渓川(チョンゲチョン)。夏の盛りには子どもや若者が水遊びをするスペースとして愛されている。

この清渓川。昔は生活排水が流れこむ川であったが、朝鮮戦争後の急速な経済発展と都市開発で水質汚染が悪化したため、ソウル市当局は清渓川を暗きょ化。1971年にはその上に高架道路を走らせた。

しかし、市民から清渓川を復元させようとの世論が高まり、03年から老朽化した高架道路の撤去工事が始まり、05年には河川の復元(全長約5・8km)が完成した。併せて水質浄化対策や親水施設の整備を行い、市民の憩いの場となっている。

清渓川のことは、高知市中心部を流れる新堀川が道路拡幅で半ば暗きょか化されることに反対する市民グループから聞かされていた。モータリゼーション優先ではなく、道路を撤去して、川を生かしたまちづくりのモデルとして。

確かに清渓川は大都市ソウルの中で、どこかホッとさせてくれる空間だった。(写真と文・中田宏) (2013年12月15日 高知民報)