部落解放同盟県連は11月21日、愛知県で発覚した「プライム事件」=同法務事務所に関連する司法書士や元弁護士が戸籍謄本等を不正に取得していた事件に関連して、不正所得を抑止する効果がある戸籍や住民票を第三者が取得した場合に本人に通知する制度を県下の市町村に広げるためのはたらきかけ、法の整備をめざすよう国に発信していくことを高知県に求めました。
対応した菊池信果夫・県市町村振興課長は、プライバシー保護の観点から本人通知制度の意義を強調し、「実際に制度を運用する市町村の財政面や人手の懸念がとりのぞかれるよう助言していく。本来は住民基本台帳法に通知制度を書き込むことが望ましい」と回答しました。
議論の中で解放同盟側は、不正取得の大半の理由は結婚時などの身元調査であり、その背景には部落差別があると強調。不正取得を抑制する取り組みとともに、人権啓発強化などの両輪に力を入れていくことを求めましたが、今日的な個人情報のセキリティの観点から捉えている県とは問題意識が噛み合わないシーンも垣間見えました。
県内で本人通知制度を設けている市町村は高知市、須崎市、土佐市(解放同盟調県連べ)。事前登録型を取り入れている高知市では「23年7月から運用が始まり195人が登録。通知実績はこの2年強で約10件程度」(高知市中央窓口センター)というのが実態です。
この日の交渉テーマは、本人通知制度題に絞られ、2時間の予定時間を30分間残して終了しました。(2013年12月1日 高知民報) |