西岡県議に政務調査費詐取疑惑 高知県議会調査へ

 
県議会議会運営委員会(11月15日)
西岡寅八郎・土佐電鉄元会長(現自民党県議)が山口組に強い影響力を持つ県出身元組長(故人)との関係を誇示し、不当要求を繰り返す株主に圧力をかけたことに端を発した一連の問題の解明の過程で、土電が西岡会長(当時)に指示されるままに公金である政務調査費(※)を請求した領収書を過去4年間で約347万円分発行していたことが明らかになりました。

土電側は「不適切に使用された可能性がある」と川竹昭夫・同社専務が11月14日に公表。15日の県議会議会運営委員会では、西岡議員に交付された政務調査費の実態、事実確認のないまま領収書を出した土電の体質を調査していくことが確認されました。

土電が公表した文書によると、平成21年度から24年度にかけて西岡議員から示されたメモなどにより、合計347万円分の領収書を、事後的に一括発行するよう求められ、支払いの有無を確認することなく交付。領収書が政務調査費の請求に不適切に使用された可能性が指摘されています。

不正常な事態が横行した理由として「西岡氏は言わば土電のオーナーとも言うべき権限・権勢を有しており、役職員が意見を述べても受け入れられない、意見を述べることさえ容易ではなかった」と西岡会長のワンマン体質に要因があったとしています。
11月15日の県議会議運委では、西岡議員が受領した政務調査費の使途の実態の裏付けを議会事務局が調査し、交通運輸を所管する産業振興土木委員会で、土電に資料提出や関係者の聴取などを求めていくことを確認。

「刑事事件になる可能性もある」、「土電はカラ出張の共同正犯、幇助ではないか」、「こんな会社に補助金を出せるのかという話になる」などきびしい意見が出されました。

これからの政務調査費の調査ポイントは以下。

@土電から経費が支払われているにもかかわらず、政務調査費からの二重取り(土電「営業活動」や元組長の墓参などに政務調査費を流用)。
A出張の実体がない「カラ出張」による政務調査費詐取。
B優待航空券を併せて使うことによる割引分の政務調査費の詐取。

県民的監視の下で、これらの疑いを徹底解明することが求められます。

※25年度から政務活動費に名称変更された。

「刑事事件の可能性」、「カラ出張幇助」 11月15日の県議会議会運営委

森田英二議長(自民党) 川竹昭夫・土佐電鉄専務から、金谷正文中山間対策・運輸担当理事に対し、報道された政務調査費と土電支給との二重支払いの社内調査をすすめる経過で、4年間で340数万円の領収書を発行、土電に金が入ったかどうかの改めはまだで、これから社内調査をすすめるという説明があったという報告が昨夕副知事からあった。

政務調査費との二重支払いがあるかもしれず、私の権限で議会事務局長、次長、政務調査課長に、急ぎ事実を調べるよう指示した。議員全体にかかわることなので、共有して調査をすすめていくことをお願いしたい。

岡林祐一・議会事務局総務課長 調査方法としては、まず本人に問い合わせや確認を行い、本人の了解の下に土電や関係機関に確認調査する。

中西哲委員(自民) 西岡議員本人の状況を議会事務局はつかんでいるのか。

浜口真人・県議会事務局長 秘書を通じての情報だが、東京方面の病院に入院しており今週から来週にかけて再手術する予定がある。月曜日に本人から連絡があり、年内の活動は無理であるという話を聞いている。

中西委員 政務調査費については事務局が調査し、議会は産業振興土木委員会として調査活動をやる話になる。領収書を発行したが、金が入っていない分があると報道されているが、どの程度領収書が発行され、金が入っていないのか。土電が経理上、収入をどうやって工面したのか、そのあたりを委員会で調査するのがよいのではないか。場合によっては刑事事件になる可能性もある。

西森潮三議運委員長(自民党) 閉会中も継続審査で問題があれば審議すると従前から言ってきた。通常の委員会でやってもらったらいい。

坂本茂雄委員(県民クラブ) 議会事務局が調査する項目を確認しておく必要がある。新聞記事にも領収書の総額より入金額が少ないと書かれており、そういうことを土電が把握しているのであれば、産業振興土木委員会にきちんと報告してもらいたい。

中西委員 もちろんだ。

坂本委員 今の段階で議会事務局は、どういう項目の調査をしようとしているのか。

岡林総務課長 土電の領収書がある分の一覧表を作り調査する。

西森委員長 関係することについては全部調査すると。

坂本委員 その分を調査することは分かっている。どういうところまで調査するのか。たとえば調査先を訪ねて調査に行ったかどうか。交通機関を利用したのかどうかの確認までするということでよいか。

西森委員長 必要なことはするということか。

岡林総務課長 はい。

西森委員長 この際ちゃんとしたらいい。

米田稔委員(日本共産党) 土電が持っている書類を出させる・・・

西森委員長 当然だ。

米田委員 政務調査費にかかわる問題なので議会運営委員会での調査のほうが適切ではないか。ただ、報告は本当にひどい中身で、金を貰っていないのに領収を出すことは、カラ出張の共同正犯、幇助だ。土電が果たした役割自身も追及しなければならず所管委員会でも審議しなければならない。

中西委員 最終的にはこういう会社に補助金を出していいのかということになるので、所管委員会が調査すべき問題だ。政務調査費だけでなく、その後がある。会社全体でやったのか一部の人間がやったのかもまだ分かっていない。

西森委員長 それぞれ委員会でちゃんとしてもらったらいい。この際、中途半端にせず精査をする。議運ではなく。

森田議長 出張先で会った人も含めて、細かいところまで調べきろうと項目出しを始めている。 政務調査費の使途は個人的に秘密の部分が当然あり、相手側にも迷惑をかけることもあるので、「調べますよ」という了解を貰いながらの調査になる。土電の内部を調べるにも提出された文書のバックデータもほしいという話も含めて了解を貰うことになるので、つぶさに報告できる態勢で、随時議会運営委員会にも報告していく。(2013年11月24日 高知民報)