「どうして中学校に給食ないの」 全国70・3% 高知市16・6%

 
給食実現へ強い要求が示された学習会(11月9日、高知市保健福祉センター)
19校中6校だけの実施で84%の生徒に給食が提供されていない高知市立中学校に、完全給食を実現していく立場からの学習会が11月9日、高知市保健福祉センターで開かれました。学習会では高知県教育委員会・高知市教育委員会担当者、南国市議から報告を受け、高知市立中での完全給食実現への要求や課題について意見交換しました。「平和と生活を守る高知市民の会」主催。

山本正博代表が「食育と子どもの貧困問題から、中学校給食は大きな課題だ。高知市の実施率は非常に低い。どうすれば実現できるのか、みんなで考えたい」とあいさつ。

県教委スポーツ健康教育課の柏木男課長補佐が県下の給食の到達を報告し、市町村・県立中学生総数における給食実施率は42・8%にとどまり、高知市、室戸市、安芸市、南国市、須崎市、四万十市、土佐清水市以外の市町村では基本的に給食が実施されているというデータを提示。

高知市教委教育環境支援課の森一正課長補佐は、9月に公表した同市立中の保護者、生徒、教職員から集めた給食に関するアンケート結果を報告。給食の実施に積極的な回答が8割以上(未実施校の保護者)あり、給食実施校の保護者からは積極的評価が9割を超えるなど、給食実施への強い要望と現状の給食への満足度の高さを紹介しました。

南国市議会議員の福田佐和子さん(日本共産党)は、先進的な小学校の食育と地産地消を中学校でも実施するよう求める同市の保護者の運動が、「愛情弁当論」が根強い市政を動かし、給食センターの建設用地確保にむけて動きはじめている現状を報告しました。

学習会参加者の意見交換では「実施してほしい」、「給食があれば勉強にも力が入る」、「親の働き方が昔とは変わり昼も夜も働かされている。高知市でも給食実現を」、「10代からきちんとした食事をとることは後々の健康を大きく左右する。子どもの食事に焦点をあて、金も人も出すべきだ」などの意見が出されまし。

一方、学校関係者から出たの「昼食の時間が取れないなど、教職員が給食に積極的になれない実態がある」という意見に対しては、「実施している学校に問題があるのか。アンケート結果で実施校の教職員が未実施校より給食実施への支持が高いことをきちんとみるべきだ」という指摘もありました。

学習会には子育て中の母親も参加し、「毎日弁当を作るのは栄養のバランスが難しい。給食があれば有り難い」という声が相次ぎ、「市民の会」として高知市立全中学校で給食実現を求める署名の強化、農業生産者なども交えた幅広い持続的な運動体づくりを展望して取り組みをすすめることが確認されました。 (2013年11月17日 高知民報)