近くて遠い隣国 韓国からのレポートJ「焼失から復活した南大門」

 
南大門
ソウル市の中心部にある崇礼門。一般的には南大門と呼ばれ、食料品や衣料品の一大マーケット=南大門市場とともによく知られる。

かつてソウル(漢城)には都を防衛するため城壁が築かれ、南大門は東大門、西大門とともに、城内への出入口として重要な役割を果たしていた。南大門は景福宮の南正面に位置し、最も重要な正門だった。

南大門の重厚な楼閣は、ソウル最古の木造建築物で、日本植民地時代にも歴史的建造物として保護され、朝鮮戦争でも焼け残って長くソウル市民に愛されてきた。

その南大門が2008年2月、放火によって楼閣の大部分を消失させてしまった。そのショッキングな映像や、市民が悲しむ様子は世界中で報道されたが、韓国政府は2010年から復元工事に取りかかり、13年4月に完成。今回、復元されて3カ月しかたっていない南大門を撮影することができラッキーだった。(写真と文・中田宏) (2013年11月3日 高知民報)