10月16日、米海兵隊のMV22オスプレイ2機が突如として高知市、大豊町など、県中央部を飛行しました。高知県への事前通告はなく、「日米共同統合防災訓練」(10月25日)でのオスプレイ使用を県が容認する間隙を突き、なし崩し的にオスプレイの飛行を既成事実化していく米軍側の思惑が透けて見えます。
中四国防衛局、高知県の情報、目撃情報などを総合すると2機のオスプレイは別図のようなルートを飛行しており、ついでではなく、高知県中央部を飛ぶことが目的であったことが分かります(県は14時30分に四万十市で目撃情報があるとしているが、15時29分に松山市で写真が撮影されており間違いと思われる)。
日米共同統合防災訓練での計器飛行ルートに似たルートを飛んでいることから、下見の可能性が濃厚。オスプレイ訓練参加中止を求める意見書が採決された(賛成少数で否決10月15日の高知県議会の閉会を待っていたかのような飛行でした。
これまで高知県はオレンジルートでのオスプレイを含む訓練の中止を求めてきましたが、米軍の参加する防災訓練は「軍事訓練とは一線を画す。有意義」とし、事前情報公開、市町村や住民への説明、「日米合同委員会の覚え書き」遵守を条件にオスプレイの使用を認めてきた経過がありました。
今回の無通告飛行は「軍事訓練」に他ならず、高知県は直ちに抗議すべきですが、「飛行目的は分からない」と、面目をつぶされたことには困惑しながら、抗議する姿勢は見あたりません。飛行ルート情報は以下(高知民報調べ)
14時51分=中四防衛局から2機岩国基地を離陸したと県危機管理部に連絡(行き先は不明)
15時15分=大豊町で目撃
15時16分=高知市一宮で目撃、西へ横列飛行
15時17分=高知市万々、福井上空で目撃、西へ飛行し北西に転換
15時29分=松山市で北西へ2機飛行の目撃
15時44、45分=中四国防衛局から岩国基地に2機着陸したと県に連絡あり。
高知市で飛行を目撃した和田忠明さんは、「聞いたことがない独特の低音で、2機が手を繋ぐように西へ飛んだ」、セスナ操縦ライセンスを持つ鍋島博直さんは「高度は2000フィート(700)くらだった」と話しています。(2013年10月27日 高知民報) |