民間に変更 即値上げ 県民文化ホール

 
県民文化ホール
来年度から高知県立施設である県民文化ホール(高知市本町)を県から委託されて管理運営する指定管理者が、公的性格の強い県文化財団(公益財団法人)から、株式会社・高知新聞企業(高知市)らで作る企業体に変更されることにともない、県内芸術文化団体を対象にした使用料減免が廃止され実質値上げに。民間に指定管理者が変わることでサービスが低下する現象が起きています。

新しい管理者は高新企業を代表に、株式会社四国舞台テレビ照明(高知市)、四国管財株式会社(高知市)、株式会社シアターワークショップ(東京都渋谷区)でつくる企業体。役割分担は高新企業=総務・企画、四国舞台テレビ照明・四国管財=舞台技術、施設管理(現在も県文化財団の下請けで実質的継続)、シアター=指定管理者変更時のノウハウのアドバイスなど。同ホールに指定管理制度が入った平成18年度以降、初の民間営利企業による管理者となります。


これまで、県内の芸術文化団体を対象にした使用量の割引制度(オレンジ10%、グリーン30%)がありましたが、来年4月からは半年間のみ割引率を5割減する「激変緩和」を実施。半年後以降は完全になくなる見込みです。

文化的行事の主催者の多くは常に採算に頭を悩ませ障害となっていることから、使用料をなるべく低廉に抑えることは、県民に文化を広げる高知県の政策目的実現のための重要な支援策になります。

また来年4月から消費税増税まで予定されており、この中で使用料を上げるというダブルパンチは県民の文化活動の足を引っ張るものといえます。利用者にすれば、サービスを低下させてまで指定管理者を変更する理由が見当たりません。

県文化推進課は「9月30日に企業体と協定を結んだ。最終的に企業体が判断するが、芸術文化団体の割引は激変緩和の後はなくなる方向だ。もう来年度の予約が入る時期なので、周知を急ぐように文化財団と企業体に伝える」としています。(2013年10月20日 高知民報)