無人基準1500ミリ以下に 高知市下水工事

 
高知市朝倉横町の事故現場
2012年10月、高知市朝倉横町の下水道建設工事(高知市が発注、内径800ミリメートル汚水管推進工)の掘進作業中、地下水と土砂が管内に異常流入し、逃げ遅れた作業員2人が死亡した事故を教訓に、高知市は独自に管径1500ミリメートル以下の場合は、管内に人が常時入らない工法をとる方針の検討をすすめています。

事故の再発防止を目的に高知市は「下水道工事事故再発防止検討委員会」(委員長は那須清吾・高知工科大教授)を設置。同委員会で会合を重ね、8月30日には報告書をまとめ、@機器の点検など予防の徹底、A監視機能と連動した安全対策機能の確保、B無人化や迅速に待避できる管径確保など事故の背景因子解消を求めました。

しかし、下水道推進工事は、現在も全国で多数実施されている工法であることから、報告書では管径など具体的数値を提示しておらず、高知市が今後発注する工事でどのような基準を持つかは市の独自判断に委ねられています。

海治甲太郎・高知市都市整備部長は取材に対し「土質や地下水の状況により選択する工法は変わってくるが、なるべく人が入らず作業できる工法を選択し、人が入って作業するのは1500ミリ以上程度を考えていく」とコメントしました。

※推進工法 地上から下水管を埋める開削工事とは異なり、発進立坑から到達立坑まで横坑を伸ばす工法。掘進機が地中を前進し、後に下水管を継ぎ足していく。騒音や交通規制など市民生活への影響が少ないことから都市部では一般的な工法。(2013年9月22日 高知民報)