オスプレイ参加を容認 自衛隊・米軍防災訓練
 
8月28日の定例記者会見
南海トラフ巨大地震を想定し、在日米軍が参加する自衛隊主催の初めての防災訓練「南海レスキュー」が10月25から27日のいずれかに高知県内(香南市、土佐清水市、海上)で取り組まれることになりました。

訓練には米軍が輸送機オスプレイを参加させる可能性があり、尾ア正直高知知事は8月28日の記者会見で「外国の支援は大きな役割を果たす。県民の命を守るため訓練は有益」、オスプレイ使用にも「低空飛行訓練とは一線を画す」と嶺北地域で繰り返され、県が中止を求めている低空飛行訓練とは区別し、認める構え。(別項参照)

在日米軍との合同訓練実施については8月26日、防衛省関係者が県庁を訪問して、10月25から27日の日程で愛知県、和歌山県、高知県で陸自中部方面隊と在日米軍と主軸に遭難者救助、傷病者運搬、物資輸送訓練を実施することを要請。

県側は「ねんりんピック」の日程と重なっていることから配慮を求めるとともに、一部情報伝達や通信などで訓練に参加していくことになります。

訓練で使用する装備について防衛省側は「未定」としていますが、県関係者は「海兵隊が参加するのであればオスプレイが来る可能性は高い」。日本国民の反発が強いオスプレイの「平和利用」を演出するため、米軍が同機を使用する可能性は濃厚といえます。

尾ア知事は記者会見で「在日米軍と訓練をやっておくことは有益」、「 オスプレイだからダメとはならない」などとオスプレイの訓練参加を容認すると同時に、「そうは言っても安全性に懸念が残る機材。安全確保のための方策をしっかり講じる必要がある」、「ネバダの新しい事故の原因究明を見極めなければならない」という認識を示しました。

在日米軍が参加する「南海レスキュー」に関する尾ア知事の発言(8月28日、定例会見)の要旨
 
尾ア正直知事 8月26日、防衛省から危機管理部に対し、自衛隊の防災訓練の中で、在日米軍との合同訓練を計画していること、合同訓練の内容としては海上捜索、救難患者搬送、孤立地域への物資輸送など、訓練で使用する装備は今後検討される予定で、最終的に決定はされていないという説明があった。

大規模災害発生時の米軍の協力、在日米軍との間で様々な防災訓練をやっておくことは、有益ではないかと思っている。東日本大震災の時、在日米軍をはじめとした外国の支援が大きな役割を果たした。もし外国からの支援がなければ、応急・復旧がさらに遅れ、人命がもっと失われたかもしれない。

南海トラフ巨大地震で想定される被害は、東日本大震災の死者数の15倍、負傷者数は100倍、直接的な経済被害も10倍が予想されている。

東日本大震災でも外国からの支援は不可欠だった。であればなおさらのこと南海トラフ巨大地震の発生時において、外国からの支援は不可欠になる。不可欠なのであれば、早くから訓練して、互いに情報交換をしっかりして、いざと言う時の備えを重ねていくのが大事ではないか。来たるべき時に県民の命を守るために必要なことだ。

具体的にどういうやり方をしていくかということについてはこれから、防衛省としっかり協議していくことになる。これから議論がスタートすると考えている。

訓練でオスプレイが使用される可能性があることについては、低空飛行訓練とは一線を画して議論すべきではないか。防災訓練において現実的に、様々な形で輸送能力の確保が重要ということになれば、オスプレイだから駄目とは災害時の対応としてはなりえない。

ただ、オスプレイについては安全上の懸念が完全に払拭される状況ではない。さらにネバダ州で昨日事故を起こしている状況。しっかり原因究明して、日米合意にあるような安全上の措置はどうなんだということについても検討していただく。仮にも使用するということであれば、安全上の措置を国の責任において確保することが大事だ。

記者 安全が確保されたと何をもって判断するのか。

尾ア知事 それはまだ分からないが、市街地上でモード変換しないとか、一定の高度を守っていただくとか、いろんな技術的、物理的な条件に照らして考えるということになってくる。ただ防災時の対応であり、本当に多くの人が亡くなろうとしている状況の中で、どういう対応がとれるかという訓練をしなければならないわけなので、航空機の安全性が問題だからといって、ある航空機を使わないということを言える状況ではなくなる。

記者 訓練であってもか。

尾ア知事 現実問題としてはそうなる。そういう時の為の備えを、しておくことは非常に大事だ。そうは言っても安全性に懸念が残る機材なわけで、訓練で間違っても事故を起こしたりしないように、安全性を確保するための方策をしっかり講じる必要がある。安全性確保の基準は、今までで言えば日米合意をしっかり守っていただくことが重要だと思うが、ただ条件が変わったと思っているのは、ネバダ州で新しい事故を起こしたので、その状況を見極めなければならない。しっかり原因究明を米国および日本政府にやってもらい、その結果はこの訓練の安全確保に反映されなければならない。

記者 そこで納得いく状況になければ反対するのか。

尾ア知事 安全性が確保できない訓練はできない。ただ安全性が確保できないと言い切ることができるかといえば、それはちょっと違う。まだ分からない。(2013年9月8日 高知民報)