2013年9月8日

近くて遠い隣国 韓国からのレポート B「DMZ 非武装地帯」
 
上はDMZと北朝鮮を見下ろすトラサン展望台、下はDMZ内の第3トンネル
韓国と北朝鮮を分ける軍事境界線(MDL、ミリタリー・デマケイション・ライン)の南北には幅2キロメートルのDMZ(非武装地帯、デ・ミリタライズド・ゾーンの略)が置かれ、さらにその外側には民間人統制区域という緩衝地帯が設けられて韓国軍が厳重な警備しており、中に自由に立ち入ることはできない。

DMZの中で、観光用に開放されているのが「第3トンネル」で、北朝鮮軍が韓国側に侵入するため秘密裏に掘ったトンネルであると言われており、韓国側で3番目に発見(1978年)されたトンネルなので「第3トンネル」と呼ぶという。

トンネルは長さ1・7キロメートル、高さ1・95メートル、幅2・1メートル、地中の深さは73メートル。「1時間に武装兵を3万人侵入させることができる」という説明があった。

ツアー客はモノレール、または徒歩で地中に潜り、トンネル内を見学する。周辺は公園として整備され、付属施設ではトンネルで発見された資料を展示し、朝鮮戦争以来の歴史を説明する映画などを上映していたが、やはりDMZ内であることから、韓国軍が警備しており、トンネル内での撮影も制限された。(写真と文=中田宏)(2013年9月8日 高知民報)