2013年4月7日

暴力団利用して威圧行為 黒い体質徹底解明を 土佐電鉄

 
土佐電気鉄道本社(高知市桟橋通)
土佐電気鉄道の竹本昭和社長と同社会長である西岡寅八郎県議(自民党)が、昨年5月8日、暴力団の威を借りて、特定株主への便宜供与を断ろうとしていた事実が3月22日付の高知新聞の報道をきっかけに露呈しました。

同社は県や高知市から多額の補助金や委託金をうけていますが、竹本社長・西岡県議の行為が暴力団追放条例に抵触する可能性があることから、新年度補助金が凍結されました。この問題では土電経営陣の旧態依然とした暴力団依存体質と、高いコンプライアンスが求められる県会議員の資格が問われており、徹底解明が求められます。

問題の面談内容が、特定株主が隠し撮りしたと思われる動画でインターネット上に公開され、この動画から竹本社長、西岡県議の行動が詳細に把握できるという、前代未聞の様相になっています。

土電側が「威光」を借りた人物は、伊野町出身の故人(2009年11月に死去)。弘道会(※)の生みの親である弘田組(名古屋市)の元組長で、3代目山口組の若中という中枢幹部を務めた人物。

この元組長は1984年代に「引退」して、組を司忍こと篠田建市に譲り、司は弘道会を設立(司は現在の山口組6代目組長)。弘道会2代目の会長は高山清司で6代目山口組若頭(ナンバー2)。

昨年5月8日の特定株主との面談の席上、竹本社長は故元組長と生前に面識があることを名刺や写真を見せながら繰り返し誇示し、高山、司忍、弘道会、侠道会などの名前を出して特定株主を威圧しました。会話の内容の要約は以下。

「(故元組長が)19年5月22、23日に高知にきた。頑張れやと。帰る時に、いらんことすなと侠道会、なお高山にもいうちゃるきなあと言うて帰られた。高知でもめるなと。(元組長が)亡くなった時には葬式にも行った。(どこの高山かと聞かれ)弘道会、今の(山口組)ナンバー2やき。忍が帰ったら(服役から)紹介するきなと言われちょったけど(元組長が)亡くなった。ぼくらあ必ずお参りにいきゆうが、(名古屋の元組長の)家へ。何かあったら、わしの名刺見せたらえいきんなあと言われちょった」

弘道会 指定暴力団・山口組の2次団体で構成員約4000人。本拠名古屋市、豊富な資金と「武闘派」で知られ、山口組に強い影響力を持つ。1966年、伊野町出身の弘田武志が名古屋港の荷役利権をバックに弘田組を結成し、山口組(3代目)直参(若中)になる(当時の弘田組若頭は司忍)が、84年に弘田が山口組の内紛を契機に「引退」。司が弘田組を引き継ぎ、弘道会を設立する。05年には司が6代目山口組組長になり、高山清司が弘道会会長と山口組若頭に就任した。警察庁は山口組弱体化のため組織をあげた「頂上作戦」で弘道会と対峙。司に銃刀法違反で懲役6年の実刑、高山にも恐喝で実刑6年の判決を3月22日に京都地裁が下した(控訴中)。侠道会(尾道市)は初代会長が県出身者。豪友会との抗争で高知市内で殺傷事件を起こしたことで知られる。(2013年4月7日 高知民報)