2012年12月27日に閉会した県議会12月定例会では、自民党が提出した「こども条例」を実質廃止する条例改定が可決し、公正取引委員会に談合を指摘され指名停止を受けた37業者の処分軽減を求める請願を採択するなど、単独過半数を占める自民党の増長ぶり、県民に開かれた公正な県政からの逆流現象が目立つ結果になりました。
12月16日に投票された総選挙で自民党の政権復帰が明らかになった直後の18日の本会議質問では、川井喜久博議員(自民)が「国防軍」の必要性を尾ア正直知事に説く場面も。
知事は軽率な改憲論とは一線を画する答弁でかわしましたが、「政権復帰」によりタガの外れた様子が自民党に散見され、今後県政の逆流を狙い揺さぶりを強めることが予想され、県民的監視強化が大切です。
「こども条例」の実質廃止についての議論では、「なぜ子どもの権利を書いた条文を削るのか」との質問に対し、提出者の自民議員は「理念は継承する。子どもの権利条約や憲法に書いてあるので屋上屋になる」などと愚にも付かない答弁を繰り返しました。
実態は、子ども自らが人権を持つという近代的な「子ども観」への忌避感、前橋本大二郎知事への意趣返しから始まり、子どもを上から目線で押さえ込み、規範意識で縛る旧態依然とした価値観を多数の力で押し付けるもので、県民参加で作り上げた条例を、多数会派のイデオロギーで踏みにじる行為は県議会史上に汚点を残したといえるものです。
子ども条例全面改定案の採決結果は以下。
改定賛成 自民(21、議長除く)、公明党(3)、南風(1)、県政会(3)、みどりの会(1)
改定反対 日本共産党(5)、県民クラブ(2)
(2013年1月13日 高知民報) |